脱炭素、投資拡大へ開示強化 金融庁、企業に促す―資金調達に課題
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欧州主導で進んできたESGは、中国の急激なプレゼンス拡大や米国の政権交代に伴う前傾化などを受け、ますます世界的潮流になりつつあります。
ESGに関する各国の取り組み強化の背景には、「各国の資金獲得競争」や「産業のゲームチェンジャー」(自動車産業の例をみても)という関心もあります。
この中での日本の課題は、ESGに関するスタンダード(当然、殆どが非財務情報に基づく)の評価基準がかなりバラバラであり、かつ、主要なものが殆ど海外由来であることです。日本の企業は、世界的に見ても高い環境対応技術を持っている所が多いのですが、これらの企業努力が、世界市場にも正しく評価される状況を形成していく必要があります。
金融庁は、欧州主導で2017年12月に組成されたNGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)に、設立直後の2018年6月に直ちに参加するなど、一貫してこの問題を重視して取り組んでいると認識しています。日本企業がESG市場においても高く評価されるよう、是非頑張って頂きたいと思います。ESG投資の急拡大に伴い、脱炭素の取り組みについても企業に情報開示の必要性が求められています。
また現在、脱炭素以外でも、企業の人的資本に関する取り組みも情報開示が必要となってきています。企業価値向上における人材戦略について、取締役会で議論し・モニタリングすること、機関投資家はESGの中において人材戦略を含めた「S」について企業の取り組みが必要になってくるでしょう。ESG投資促進のカギを握るのが、企業の情報開示だ。気候変動に関する財務情報の開示を推進する国際的な枠組み(TCFD)に国内300社超が賛同しているが、経団連などは義務化に消極的。ただ、出遅れると海外からの資金調達に支障が出る恐れもある。
このため金融庁は、企業の情報開示強化に向けた検討に着手。「サステナブルファイナンス有識者会議」が議論を重ねる。その中、企業が提出する「有価証券報告書」に気候変動に関する記載を義務付けるなどの案が浮上している。
海外マーケットでは気候変動関連の情報開示の義務化に向けた議論が活発化する中、今までの自主的なアプローチからルール作りに乗り出すのはまだ遅くないだろう。