脱炭素の電力普及へ 1000億円規模のファンド設立 三菱UFJ銀行
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今の時代、脱炭素(+DX)と聞くとメガバンクは飛びついちゃうらしいですね。
ポジティブに評価することも可能ですが、あえてちょっと手厳しいことを言えば、現在の日本の脱炭素政策の背景には、電力・製造業・政府ではなく、日本の金融業界が欧州のルール形成戦略に陥落してしまったということが背景にあると思います。それで、財界が動かざるを得ず、政府をも動かした。
結果的にそこが日本の最も弱い所だったのでしょう。
日本の経済界もまさかそこが狙われるとは思っていなかったのではないでしょうか。
資金調達方法が多様化した現代では、銀行の社会における役割は相対的に低下しています。そんな中、「気候正義」という否定しづらい価値観は、エリートカルチャーが強いせいで無価値感に陥りがちで、技術や事業そのものへの理解が薄くなりがちな、大手金融機関の方々に最も響きやすいものなのだと思います。
そして、表面的・短期的には利益を上げることもできるでしょう。しかし、気候変動という名目の下で、厳しい利益と権力(国益)を争うゲームが起きていて、そこにどの様な形で加わるべきなのか、ということに対し、無防備すぎる印象があります。
私には、外圧に負けて様々な不平等条約を飲んでしまった幕末を思い起こさせます。
遠い将来、現在を振り返った時、「日本は金融からやられた」と書かれないことを願っています。自ら投資をするだけではなくファンドを組成しその他の機関投資家も巻き込むのがファンドの意図です。銀行としては投資からのリターンに加えてバランスシートを使わずにフィー収入が得られます。
機関投資家としては銀行の審査目線を活用し、案件組成などの手間隙をかけずに長期のオルタナ投資ができるメリットがあります。銀行は、個別貸付期間は短くとも、ローカル経済と一蓮托生という意味で超長期の経済情勢へのエクスポージャーに晒されています。このため数年〜数十年後の気候変動リスクを抑えるインセンティブがあります。
FIT終了が迫る再生可能エネルギーの今後の導入は、自家消費したい又は購入したい企業が増えることで後押しされるので、とても歓迎すべきこと。また、水素はじめ多くの分野でまだまだ技術開発が必要なので、国内の研究を後押しするのもインパクトが大きいと思います。