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KMバイオロジクスは、以前は「化学及血清療法研究所」という名称の日本有数のワクチンメーカーでした。2018年に医薬品メーカーの「明治」が資本参加し、名称が変わりました。記事は、前臨床試験を終え、「臨床試験を行うための審査」を当局に申請したという内容です。日本企業としては、アンジェス、塩野義製薬に次ぎます。変異株の問題や、国産ワクチンのニーズのため有意義なので、期待が膨らみます。ただ、日本での臨床試験は、難しい問題に直面すると思います。

外国製ワクチンは、ほとんどの臨床試験を外国で実施し、日本では少数の人数での臨床試験を補助的に行います。ファイザー社製も、外国での数万人規模の臨床試験で「感染予防効果」が確認されたため、基本的にそのデータを使用し、日本では単に「中和抗体」の増加、および「副作用の傾向が外国と変わらない」との証明で特例承認されています。日本でのファイザー社製ワクチンの臨床試験の規模は160名でした。

日本で、新規に臨床試験のベースを作る場合、ある程度感染者が出てこないと「有効性」が確認できないことから、数万人規模(場合によってははるかにそれ以上)の臨床試験のボランティア参加者を募らないといけなくなります。

ここまで約1年間の日本の感染者数は約42万人で、人口比では0.3%程度でしょう。その前提から、ワクチンを打たない場合の感染率が0.1%(1000人に1人感染)だとすると、仮にワクチンが100%有効としても、両群2万人(片群1万人)の試験でワクチン群0名発症、プラセボ(偽薬)群10名発症の比較になります。少しでもワクチン群に感染者が出た場合、両群に差が生まれ難くなり、上手くいかない場合「統計的な差異なし(=不可)」となります。臨床試験の精度を高めるためには、できるだけ参加人数を増やす必要があります。

仮に臨床試験の実施に1名当たり100万円の費用なら、2万人=200億円の費用がかかります。臨床試験時点でワクチンを接種していない方に接種する必要があり、今後ワクチンの接種が進む中、ボランティアを確保する技量が求められます。

メーカーとしては、「毎年接種が必要になれば望ましい」ということになりますが、将来のニーズは不確実です。以上のような、難しい問題に遭遇することが予想されますが、開発ベースを外国におき、政府の資金援助があれば迅速化が望めると思います。