[17日 ロイター] - 米フェイスブックは17日、オーストラリアのユーザーがニュースフィード上でニュースの閲覧や共有をできないようにすると発表した。

同社などに豪メディアへの記事使用料支払いを義務付ける豪政府の法案を巡り、譲れない一線を示した格好だ。

法案はフェイスブックとアルファベット傘下グーグルに対し、記事対価を巡る豪メディアとの交渉を義務付け、合意がまとまらない場合、政府が調停人を任命して対価を決定する内容。政府は向こう数週間中にも法案を採決にかける考えを示している。

フェイスブックはこの法案について、同社とメディアの関係を「根本的に誤解」していると批判。メディア側は記事のリンクを自主的にフェイスブックに投稿し、それを通じて2020年には約4億0700万豪ドルの収入を得たと主張した。

フライデンバーグ豪財務相は、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)と豪時間18日に「建設的な議論」を行ったことを明らかにし、法案を巡る同社との協議は続いているとした。

同相はツイッターで「(ザッカーバーグ氏は)法案について残る幾つかの問題を挙げた。今後の道を見いだすため対話を続けることで一致した」と述べた。

今回の措置により、豪ニュースメディアによるフェイスブックページでの投稿やコンテンツ共有も制限される。

フェイスブックは、プラットフォーム上での誤った情報への対応を巡り批判を浴びてきたが、今回の措置により、これまでファクトチェック(事実確認)の役割を果たしてきたニュースメディアをブロックすることになる。

豪テレビ局ナインの広報担当者は「フェイスブックは今後、バランスを欠いた状態で誤情報が急速に広がるプラットフォームになる。誰の利益にもならない」と述べた。また「同社の独占的な地位と不当な行為を改めて証明するものだ」とした。

グーグルも豪政府の法案を「実行不可能」とし、オーストラリアでの検索サービス提供を停止すると警告している。一方で、同社が報道機関に記事対価を支払って利用者にニュースを提供するプラットフォーム「グーグル・ニュース・ショーケース」を巡り、複数の国のメディアと合意している。

17日には、ルパート・マードック氏が率い、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などを傘下に持つニューズ・コープとの間で、サブスクリプション(定期購読)用プラットフォームの開発や広告収入の共有などで合意した。