[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が16日に発表した昨年第4・四半期決算は、6000万ドルの純損失となった。デリバティブ取引で12億ドルの損失を計上したことが主因。ただ、調整後の利益はアナリスト予想を上回った。

調整後の株主帰属純利益は8億2700万ドル(1株当たり0.94ドル)と、前年同期の9億2300万ドル(1株当たり1.03ドル)から減少。リフィニティブのまとめたアナリスト予想は1株当たり0.93ドルだった。

損害保険事業の第4・四半期の調整後税引き前利益は8億0900万ドルとなり、前年比4%増加した。生命保険事業の調整後税引き前利益は10億2700万ドルと、同20%増加した。

2020年通年では60億ドルの純損失を計上。主に傘下の再保険会社フォーティテュード・グループ・ホールディングスを売却したことが影響したほか、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)関連費用が11億ドルに及んだことや、災害補償金の支払いが増加したことが響いた。

調整後の利益は22億ドル(1株当たり2.52ドル)で、アナリスト予想と一致した。

AIGは2020年第1・四半期以降、業績予想の発表を取りやめており、2021年についても出していない。昨年発表した生命保険事業の分離計画を巡る追加情報もなかった。