「ノンデスクワーカー」の巨大DX市場の今後を見る3つの視点
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「デスクレスSaaS」と呼ばれるノンデスクワーカー向けのSaaS市場はまだまだこれからの市場。運輸、小売、ホテルなどの机に座ってPCで仕事をするのではない、現場で働く人に使いやすいサービスは、どう立ち上がってくるか。ということを、3つの視点でCoral Capitalの西村がブログに書きました。
(1) バーティカルに遅れて立ち上がるホリゾンタル市場
(2) バーティカルSaaS全盛でタブレットが再び注目
(3) 次に来るのは声のUIやHMDによるXRの普及デスクレスSaaSと呼ばれる、B2Bの中でもいわゆる現場業務向けに特化したソリューションについての解説記事です。
記事中に解説されている通り、就労人口ベースでみればデスクワークよりも余程現場業務に関わる人が多い一方で、席に座って落ち着いてPCに向き合うことが業務上難しいため、デジタルソリューションの浸透がどうしても遅れているのが実態です。
しかし、本当の意味でのDXを実現するためには避けては通れない領域だと思います。
記事でも触れられていますが、デスクレスSaaSが成立するポイントは二つあると考えています
・モバイル端末やタブレットなど現場で使えるデバイス対応
・現場業務に寄り添ったUI/UXの実現
業界に関わっている視点から言えば、特に後者が大切です。
デスクワークはERPなどのソリューションありきでオペレーションを組むことが大半だと思いますし、リテラシー的にも新しいツール導入が比較的早く進むことが多いと思います。
しかし、現場オペレーションは現場ならではの経験則から構成されていることが多いため、そう簡単に変更することができません。
本社が良かれとして導入した新ソリューションが現場では大変に使いづらく、結果として全く利用が定着せず宝の持ち腐れになるケースも多いと聞いています。利用を押し付ける類のものではないのです。
逆に言えば、現場できちんと受け入れられるUXが実現できれば必須ツールとしてしっかり利用が定着を見込むことが可能です。
サービスベンダーの立場からすると、変にマーケティング投資をかけるよりもピュアに現場ユーザーに寄り添ってUX向上を目指したプロダクト投資をすることで、結果として離脱を防ぎビジネスのスケールアップへ繋げることが出来ます。
したがって、継続的な機能アップデートによるメリットを享受できるユーザーサイドとWin-Winの関係を築きやすいのではないかと考えています。
記事中、弊社の松屋様における音声DXソリューションにも触れて頂いていますが、現場業務だと両手が塞がるシーンが多いため、ハンズフリー(手を使わない)・アイズフリー(視線を変える必要がない)という意味で音声を活用していく可能性も非常に大きいと考えています。UI/UXとは、何もデバイスの画面のみを指す言葉ではなく、情報とのインタラクションが成立すればいいのです。「ノンデスクワークでタブレットが」のくだりまでは「現場のスタッフが操作しにくいシーンがむしろ多いはずでは?」状態。
ですが記事中でその「?」をすぐに回収していて腹落ちする良記事でした。
(引用ココから)==
スタートアップのBONXが2月に発表した松屋銀座での音声DXソリューションは、この方向性をハッキリと示す事例ではないかと思います。紳士服の採寸業務で、巻き尺を使って「肩幅 43センチ」などと声に出せば、これがそのまま顧客データベースに格納される
==(引用ココまで)
BONXの取り組みは日経新聞でもとりあげられていますね。
https://newspicks.com/news/5608252
飲食店でもこのアプローチは使えそう。「ご注文を繰り返します」といって注文内容を発話するので。
デスクワーカーよりもノンデスクワーカーのほうが先進的なインターフェイスが採用されそうという指摘も首肯しきり。
こうした音声インターフェイスだけでなくARもノンデスクワークならばイメージが浮かびます。
リープフロッグは、国家間だけではなく業種間でも起こりうるのかもしれません。