米寒波で停電拡大、エネ・製造業に影響 原油約1年ぶり高値
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集中型の電源や製油所だとリスクが高い。米国は寒波のみならず台風の被害も多い国でインフラの老朽化も部分的に進んでいる。よってカリフォルニアの様にルーフトップソーラーに対する補助*などで部分的であっても電源の分散化を図ることでリスク分散になり、また環境対策にもなります。
* カリフォルニア・ソーラー・イニシアチブ(CSI)と呼ばれる太陽光発電補助金プログラムテキサスで-17℃というのはさすがに想像を絶するな…。送電線に火花が走り、停電するのも無理はない。現在、アメリカでは新規感染者数が減っているが、寒くてステイホームしているからだろうか(そんなことはない)。
米国では先週末から北極由来の強い寒気がカナダから南下し、いわゆる中西部から、南部のテキサスに至るまで、雪が降るような強い寒気に覆われました。テキサスの緯度は、およそ九州南部に相当しますから、ここで-20℃近い気温になったということがどれほどのことか、お分かりいただけるかと思います。日本の場合にも強い寒気がやってくることはあるのですが、大陸との間に日本海を挟んでいるため、雪は降るものの極端な低温とはならないのが特徴です。北海道の札幌でさえ、100年以上の観測の歴史でも-30℃以下を観測したことはありません(内陸の旭川には-41.0℃の記録があります)。今回はロッキー山脈の東側を、冷たい空気がするすると南下して、ついにメキシコ湾とぶつかるような形となり、暖かい空気が持ち上げられて雲が発生して広い範囲に雪が降ったような形になりました。
今回の寒気はあと数日で抜けていく見込みで、2月の後半には中西部で低気圧が発達してテキサスは逆にプラスの20℃近くまで気温が上昇する場所も出てきそうです。寒さは一時的とみられます。
寒波の原因は、年初に発生した成層圏突然昇温という現象によります。これにより対流圏の北極周辺にある冷たい空気を持った渦が崩れ、北極から低緯度の地方に寒気が流れ出しやすくなったことによります。厄介な現象と思われるかもしれませんが、これが成層圏の空気を適度に混合させ、オゾンホールの発生を防いでくれている側面もあります(南極はその周りがぐるっと海に囲まれており、突然昇温も起こりにくいことからオゾンホールがより大きくなっています)。エルニーニョやラニーニャに対する単純な応答ではないので、そのあたりをご理解いただければと思います。