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NewsPicks編集部のオリジナルニュース連載。いま知りたい注目ニュースを、わかりやすい解説や当事者インタビューなどでお届けする。
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GameStop Corp is a U.S. multichannel video game, consumer electronics, and services retailer.
業種
家電量販店
時価総額
6,023 億円
業績
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結果的に、空売りを仕掛けていたヘッジファンドの敗北に終わり、巨額損失と共に「ウォール街のエリートの鼻をあかした」として報道されました。
しかし、騒動の主人公はその後、個人投資家が利用していたロビンフッドに変わり、別問題に発展します。こうした経緯について、改めて整理しました。専門的な分野&情報が断片的ということもあり、背景までしっかり掴めていない方にぜひご一読いただきたいです。
米国時間の2月18日、米下院で公聴会が開かれ、ロビンフッドCEOやシタデルの幹部らが証言する予定です。今後の金融規制にもつながる可能性のあるゲームストップ騒動をどう説明するのか。目が離せません。
(追記)
PFOFの説明部分で一部ミスリードになりかねない表現があり、修正させていただきました。(2月19日12:00)
https://note.com/propro/n/n7c4eb7145b7e
実はNSCCの保証金計算式はHPにどーんと出ているし、PFOF/HFTの仕組みも証取でのマーケットメイキングとは異なるし、専門外の人には理解のハードルが格段に高いこの分野。
一方、実は市場関係者からするとこれってよくある仕手戦が巨大化しただけのことで、さして注目すべきことですらないso whatだというのもまた事実。でもテック業界やVC関係者の発言に耳を傾けていると、この騒動にはかなり本質的で大事な観点がいくつもあって、プロたちが、素人さんたちがなんか言ってるね、で済ませてはいけない話だと感じます。
資本市場の最大の役割は、資本の適性配分によってよりよい社会を実現することです。そのためには「正しい値付け」が必要で、わたしたちは、全体としての価格発見力が最大限発揮されるよう、様々なルールを整備・維持していかなければなりません。ファンダメンタルズに基づく正しい株価がいかに社会にとって必要かということを忘れてしまうことの危険性は決して軽視できないのです。
今回の騒動において、企業としてのゲームストップが得をする手段としては、「株価が高騰した段階で新株発行をすることで資金調達をすること」が考えられますが、その様な事実は無いという認識です。企業のコントロールの及ばない所で株式が乱高下しただけで、むしろ企業の資金調達計画に悪影響を及ぼしたのではないでしょうか。
また、株価が低迷している時には、他の企業に買収されることで生き延びるという選択肢もあったかもしれませんが、もうこれだけ世間を騒がせた株に手を出そうとする企業はおそらくいないでしょう。経営者の選択肢が狭められた形です。
記事にもある通り、騒動に発展する前には、著名なオンラインスタートアップの起業家を経営陣に取り込み、「実店舗中心のゲームストップがオンラインに舵をきることで復活するかもしれない」という期待で長年低迷していた株価が微増していました。その期待が、個人投資家の熱狂とヘッジファンドへの憎悪によって増幅されてしまった形です。
「地獄への道は善意で舗装されている」ケースの一例のように思います。
(追記)
ある意味、ゲームストップという名前を世界中に知らしめるプロモーションにはなりましたが、事業としてグローバル市場に出ていく訳でも無いので、特段のプラスになったとは思えません。
個人投資家とヘッジファンドの戦いになっていたところまでは理解してましたが
・個人の勝利と思いきやその益は実はヘッジファンドに行っていた
・ロビンフッドのキャッシュ不足からサービス停止になった
・株価が下がり個人も損害を受け提訴している
というあたりまでは全然理解できてなかったし、今後の論点として株価操縦にあたるか、一定の規制が入るかなどとても学びの多いケースだったことがよくわかりました
会社再生と株価上昇という期待を、ヘッジファンドが潰しにかかった。勧善懲悪ストーリーが大好きな個人投資家が、悪代官を逆に潰そうという動きに。米騒動と同じ構図と考えられます。
ヘッジファンドに空売りを仕掛けられて苦い経験をもつマスク氏も、個人投資家に味方するかたちでロビンフッドを攻めた。本来ロビンフッドは庶民の味方のはず。それが、悪代官の手先だった?
不透明感が拭えないのはやはりロビンフッドのPFOFというビジネスモデルです。ゲームストップ騒動の前から指摘されていた問題ですが、まさに「ロビンフッドは誰のためにビジネスをしているのか」が問われています。
"そのため今回の問題を契機に、改めてPFOFを認めるべきかという議論に発展する可能性もある"
下記こぐまさんのTweetも是非。空売りに加え、オプション取引に伴うガンマスクイーズも背景。そこに取引制限がかかり、複数の想定外事象でオプション価格が強烈な歪みを見せたのは、去年の原油先物マイナスも思い出す(原油は物理的に受け取れないことが要因、今回もオプション行使時に現金あるのかという部分など)。
https://twitter.com/kogumathenics/status/1358732961839915011?s=20
【Robinhoodの収益】
自分が理解しきれていないが、マーケットが非効率になっている可能性。
前提として、証券取引では最良執行義務というものがある。日本は東証での取引が主だが、大きい取引は市場価格に影響を与えるので証券会社を通じて相対合意してToSTNeTで取引したりもある(売買両方が色々考えて価格・量で合意、証券会社も利鞘を得られる通常より稼げる)。
米国は取引が日本より分散、①は大和総研の2014年の記事で図表4にあるがNYSEは1割に過ぎない。その過程でマーケットメーカーを通すものもあり、Robinhoodは取引所ではなくマーケットメーカーに出す形式。
最良執行とのバランスで、Robinhoodは記事のPFOFで収益を得ているが、契約する複数のマーケットメーカーから最良価格で売買成立させ、その大部分は市場価格より良く、SEC基準にも準拠としている(②)。一方、昨年のSEC制裁では実際には裁量執行されず顧客に3410万ドルの被害を与えたとある(③)。
これは市場が本当に効率的なのかという疑問につながる。去年の4-6月期の売上は1.8億ドルと報じられている(④)。年換算7億ドルほど(3410万ドルは5%弱となる)だし、今はもっと増えているだろう。
マーケットメーカーが自社の利ザヤとしたり、Robinhoodに払う部分を考えると、多重構造の中でマーケットが非効率になっている印象。
①https://bit.ly/3asgigu
②https://robinhood.com/us/en/support/articles/stock-order-routing/
③https://www.sec.gov/news/press-release/2020-321
④https://bit.ly/37qKvuF