[16日 ロイター] - ミャンマー国軍のゾー・ミン・トゥン報道官は16日、選挙を実施して勝利した政党に権限を移譲すると表明、先の選挙で選ばれた政府を追放したのはクーデターではないとの認識を示した。また、暴力をあおり、公務員を脅迫しているとして、抗議運動を批判した。

一方、勾留されているアウン・サン・スー・チー氏の弁護士によると、スー・チー氏は再び訴追された。

報道官は、政権奪取後初の記者会見で「われわれの目的は選挙を実施し、勝利した政党に権限を移譲することだ」と述べた。

国軍は新たな選挙の実施時期を示していないが、1年間の非常事態宣言を発令している。

報道官は、国軍が長期にわたって権限を保持することはないと発言。「選挙が実施されることを保証する」と述べた。

会見の模様は、国軍が禁止したフェイスブックで国軍が生中継した。

報道官は、スー・チー氏やウィン・ミン大統領を勾留していることに関する質問には、勾留という見方を否定し、法律に基づき、安全のため自宅にとどまっていると述べた。

スー・チー氏は無線機を違法に輸入した容疑で訴追され、17日までが勾留期間となっている。ただ、スー・チー氏の弁護士は16日、警察が、自然災害管理法に違反した容疑でスー・チー氏を再び訴追したと明らかにした。

米国務省のプライス報道官はこれを受け、スー・チー氏の2度目の訴追に懸念を表明した。米国は先週、ミャンマー国軍に対し新たな制裁を科したが、16日に追加制裁は発表されていない。

英国のジョンソン首相も、スー・チー氏が新たに訴追されたことについて、ミャンマー国軍による「でっち上げ」と非難した。

中国の陳海・在ミャンマー大使は16日、ミャンマーの政治情勢について「決して中国が望むものではない」とし、2月1日に起きた国軍のクーデターに関与したとするソーシャルメディア上のうわさを「ばかけている」と一蹴した。

同大使は、クーデターで権力を掌握した国軍と前政府の双方と、中国が「友好な関係」を維持しているとし、中国は「ミャンマーの政変について事前に知らされていなかった」と強調した。

地元メディアとのインタビューが、中国大使館のフェイスブックページに掲載された。

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