[バルセロナ 14日 ロイター] - スペインのカタルーニャ州で14日、州議会選挙(定数135)の投開票が行われ、独立派が議席を上積みして過半数を維持する見通しとなった。ただ、国政与党・社会労働党の州支部も議席を大幅に増やしたことから、独立運動の再燃より中央政府との対話につながる可能性が高い。

開票率99%を超えた時点で、独立派は50.9%の票を獲得し、初めて50%を上回った。これを受け、独立派の主要2政党が連立政権を維持するシナリオが最も濃厚となった。

ただ、同州がつかの間の独立を宣言した2017年のような混乱が再燃する可能性は低いとみられる。独立を巡る緊張はその後和らいでおり、今回の選挙で有権者の関心は独立よりも新型コロナウイルスに集まった。

新型コロナの感染拡大が続く中、今回の選挙では投票率が53%と、前回2017年の79%から低下したことも、独立派に有利に働いた可能性がある。

33議席を獲得する見込みとなった独立派の左派政党「カタルーニャ共和左派(ERC)」は、政権を主導する考えを表明し、独立の是非を問う国民投票の実施に向けて他党の支持を求める方針を示した。

ただ、単独政党ごとの得票率は社会労働党が23%と最も高く、獲得議席数も33議席でERCに並んでいることから、同様に連立協議を模索するとみられる。社会労働党は17議席にとどまった17年の前回選挙から議席をほぼ倍に増やした。

最近までスペインの新型コロナ対応を主導し、社会労働党から立候補したイジャ前保健相は、長年にわたる独立の動きを受けてカタルーニャでは和解を求める声が高まっているとし、議会で過半数を模索する考えを示した。

ただ、それには他党との連携が必要になるが、実現の見込みは不透明だ。

独立派では中道右派「共にカタルーニャのために」が32議席、極左のCUPが9議席をそれぞれ獲得する見通し。独立派の連立維持には両党が鍵を握るとみられている。

極右政党ボックス(VOX)は、保守系の国民党(PP)や中道右派のシウダダノスより多い11議席を獲得し、カタルーニャ州議会で初めて議席を得る見通し。