2021/2/16

【NY】ワクチン「予約できない問題」を民間エンジニアが救う

「使えない」予約サイトに悲鳴

Airbnbでソフトウェアエンジニアとして働くヒュージ・マ(31)は1月初め、母親が新型コロナウイルスのワクチンを接種できるように、ネットで予約を入れようとして愕然とした。
チェックすべきサイトは何十もあり、それぞれが独自に登録を要求してきた。さらにニューヨーク州とニューヨーク市では予約システムがまったく異なっていた。
「もっといいやり方があるはずだ」と思ったマは、自らサイトの開発に着手。2週間足らずで、ニューヨーク州と3つの主要都市のワクチン予約システムをまとめたサイト「TurboVax」を完成させた。
同サイトは誰でも無料で利用できるほか、予約状況の情報がリアルタイムでツイッターに送られてくる。
サイトの開発にかかった費用は50ドル以下。たったそれだけの額で、市や州の公式サイトよりも簡単に予約がとれるツールを作ったのだ。
「時間と少しのモチベーションだけで1人の人間にどこまでできるのか、ある種の挑戦でした」とマは言う。
「残念ながら、市も州も使い勝手のいいサイトの構築を優先していませんでした。でも、パンデミックでは誰もが役を担うべきであり、私は自分にもできるささやかな貢献をしただけです」
独自の予約サイトを立ち上げた、エンジニアのヒュージ・マ(Amir Hamja/The New York Times)