「人生100年時代構想会議」の中間報告によると、ある海外の研究で「日本では、2007年に生まれた子どもの半数が107歳より長く生きる」と推計されており、我が国は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えているそうです。

2007年生まれというと、今年14歳になる中学生が該当しますね。

中学生も長生きするかもしれませんが、小学生、幼稚園、保育園、生まれたばかりの赤ちゃんまで、もしかすると100歳を超えて長生きするかも知れないということですから、既に「人生100年時代」は始まっていると言えそうです。

子どもの老後資金まで心配する時代に突入しているのかもしれませんね。

私は大学卒業後、信用金庫での勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。

そこで今回は、人生100年時代において、年金はいくら足りなくなるのか、年金以外のお金はどのくらい必要になるかについて見ていきたいと思います。

老後の生活費はどれくらいかかるのか

今年の2月5日に総務省から公表されたばかりの「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)二人以上の世帯」によると、夫65歳以上、妻60歳以上で構成する夫婦一組の世帯(無職世帯)の毎月の年金収入が21万6574円です。それに対して毎月の支出が25万9304円となります。

毎月の支出の主な内訳は以下のとおりです。

  • 食費:6万6131円
  • 住居:1万4224円
  • 光熱・水道:1万9810円
  • 家具・家事用品:1万453円
  • 被服及び履物:4789円
  • 保健医療:1万6158円
  • 交通・通信:2万8475円
  • 教養・娯楽:2万155円
  • その他:4万7149円
  • 非消費支出:3万1957円

ここで注目したいのが住居費用の1万4224円です。ちょっと少ないような気もしますね。

これは、高齢夫婦世帯のほとんどが自分の持ち家に住んでいるためです。持ち家ですと家賃が発生しないため、住居費用がかかっていないのです。

最近では、老後も引き続き賃貸物件に住む予定の人も多いと思われます。その場合は、この支出額に毎月の家賃費用を上乗せして計算する必要があります。

仮に毎月の家賃10万円を上乗せして計算すると、毎月の支出は35万9304円になります。年金暮らしで毎月35万円の支出は結構な負担です。

夫婦の年金だけで足りるのか・・・少し心配になってきます。