市場動向調査企業のGartnerは、2020年の主要電子機器メーカーによる半導体購入(消費)に関する調査結果として消費額ランキングトップ10を発表した。それによると、世界の半導体消費全体の11.9%を占めたAppleが、2019年に続きトップとなったほか、トップ10の顔ぶれ、順位ともに2019年と同じとなったという。

2020年における上位10社の主要電子機器メーカーの半導体消費額は前年比10%増となり、市場全体に占める割合は前年比40.9%から42.0%へ拡大した。Gartnerのアナリストでディレクターの山地正恒氏は「主要電子機器メーカーによる2020年の半導体消費に影響を与えた要因は2つ挙げられる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックと米中の政治的紛争である。パンデミックの影響から5Gスマートフォンの需要が低迷し、自動車生産も落ち込んだ。その一方で、モバイルPCやビデオゲームに対する需要とクラウド・データセンターへの投資が半導体消費を牽引した。さらに2020年は、メモリ価格の上昇により、年間を通じてメモリ・チップへの支出が増加した」と市場の背景を説明している。

3位に留まるも半導体消費額を大幅に減らしたHuawei

2020年のHuaweiの半導体消費額は前年比23.5%減と大幅な減少となった。山地氏は、「米国政府のHuaweiへの輸出管理強化によって、半導体購入が制限されることとなった。この結果、Huaweiのスマートフォンは供給量が減ることとなり市場シェアも低下することとなり、その低下分をほかの中国系スマートフォンメーカーが獲得することとなった。そのため、半導体ベンダーにとって中国市場が引き続き重要な市場であること自体は変わっていない」とHuaweiの失速で起こったことを分析している。

  • 2020年半導体消費額ランキングトップ10

    2020年における電子機器メーカーの半導体消費額ランキングトップ10 (出所:Gartner)

2年連続トップとなったAppleの主なけん引役は、AirPodsの好調な売り上げに加え、MacとiPadの特需、そして各機器へのNANDの搭載量の増加だという。山地氏は「Appleは、在宅勤務の拡大に伴うモバイルPCやタブレット端末の需要増加を受け、MacとiPadの生産を引き上げた。また、2020年後半に、MacのApple Siliconへの移行を開始したことも消費量を増やしたことにつながった」としている。

もっとも成長率が高かったのは8位のXiaomiで、その成長率は同26.0%。その背景について山地氏は、「オンラインチャネルを中心とした販売モデルをスマートフォン事業が取っていたことから、パンデミックの渦中でも影響を最小限に抑えられた。また、Huaweiに対する制裁により、スマートフォン市場でのシェア拡大を果たしたほか、スマートテレビやウェアラブル、スマート家電など幅広いコンシューマ向けIoT分野でも成功を収めた結果だ」としている。

なお、上位10社の本社所在国・地域別内訳を見ると、米国と中国が各4社、韓国と台湾が各1社で日本企業の名前はない。かつては、半導体消費額ランキングのトップにソニーが君臨していた時代もあったが、近年、日本企業の姿はすっかり見ることがなくなってしまった。日本は、半導体製造のみならず半導体の消費額でも世界での存在感を落とし続けている。