2021/2/14

【解説】近日登場「ワクチンパスポート」の基礎知識

各国で導入が始まる

政府や旅行業界では、ある新しい言葉が使われるようになっている。「ワクチンパスポート」だ。
ジョー・バイデン米大統領が出した、新型コロナウイルスのパンデミックの抑制を目指す大統領令では、ワクチン接種の証明書を他の予防接種記録とリンクさせ、そのデジタル版を作成することの「実行可能性を評価」するよう政府機関に求めている。
デンマーク政府は2月3日、今後3〜4カ月のうちに、国民がワクチン接種を受けたことを証明できるデジタルパスポートを導入すると発表した。
ワクチンパスポートを提案しているのは各国政府だけではない。
エティハド航空とエミレーツ航空は近く、国際航空運送協会(IATA)が開発したデジタルトラベルパスの使用を開始する。乗客が旅程を管理し、新型コロナのワクチン接種や検査を受けたことの証明書を航空会社や政府に提供する際に使えるものだ。
現在の課題は、個人のプライバシーを保護し、スマートフォンの所有の有無にも関係なく、世界中で受け入れられるような証明書やアプリを作ることだ。
そんな、ワクチンパスポートの現状を紹介しよう。
(Orbon Alija/Getty Images)