『今年流行りそうなもの』として最近、テレビの情報番組がこぞって取り上げているのが『エビロールサムギョプサル』という韓国グルメだ。しかし話題になっている(らしい)割に、私は実際売られているのを見たことがない。「食べた」という人に会ったことも、まだない。
果たして『エビロールサムギョプサル』なる食べ物は本当に流行るのだろうか? ってか、そもそも実在しているのか? メディアの陰謀ではないのか? 真相を確かめるべく、日本随一のコリアンタウン・新大久保へ行ってみた……もちろん密を避けてな!
・平日の午前が狙い目
今回訪れた『マッコリの物語』はイケメン通り(通称)の真ん中に位置する、混雑時は店外まで行列ができるほどの人気店だ。土日の新大久保はかなり混み合う場合があるため、行くなら人通りまばらな平日の午前が狙い目。
店頭には大きく『エビロールサムギョプサル』の文字がある! どうやら実在しているのは確かな様子だ。
ちなみに新大久保で飲食店が密集するエリアをこの日調査した結果、『マッコリの物語』以外でエビロールサムギョプサルを看板メニューに掲げる店は見当たらなかった。「今年間違いなく流行る」という話と裏腹に、食べられる店は相当限られているらしい。
・エビロールサムギョプサルの全貌
エビロールサムギョプサルは1人前980円(税抜 / 2人前から注文可能)と、かなりお手頃価格。
まず鉄板を熱してバターを溶かし、豚の薄切りで包んだエビを並べる。風車のように美しく円形を描くのがポイントだ。
エビをひっくり返したら中央でチーズを溶かす。
あまり焼きすぎないよう、タイミングを見計らうことが重要である。
…………といった一連の調理作業はお店の人がやってくれるから安心だぞ!
あとはエビにチーズを絡まるだけ絡めたら……
意外にも『トルティーヤの皮』で包み……
チーズガーリックソースにつけていただく、というのが作法らしい。
・タンパク質の暴力
さてエビロールサムギョプサルの全貌について、私は正直「コレはちょっとアレだな〜」と感じていた。なぜならエビ・豚肉・チーズは全てタンパク質であり、 “異なるタンパク質同士をタンパク質のみで掛け合わせる” という行為はいわば料理の『禁じ手』。あまりウマそうな予感がしなかったのだ。
「せめて豚肉がレタスなら」と思いつつ、初めて口にしたエビロールサムギョプサルはしかし……
マジな話、泣くほどウマかった。
重要なのはおそらく “豚肉がかなり激薄” という点。激薄カリカリに焼かれた豚肉は存在感もメチャ薄く、主役のエビを引き立てる衣(ころも)的な役割を果たしているのだ。チーズやソースをつけるのもいいが、エビと豚肉だけで食べるのもかなりオススメ。
・流行にもパターンがある
今回の議題「エビロールサムギョプサルが流行るか否か」について、実際食べてみた結果、個人的には「高確率で流行る、もしくはすでに流行っている」と予想した。お伝えした通り現在は提供する店自体が少ないうえ、なかなか思うように外出しづらいという状況もある。
一見、これでは流行りようがないように思えるのだが……それでもイケそうな理由はズバリ “再現しやすそうだから” 。『秘伝のタレ』が決め手になりがちな韓国グルメ界にあって、コレはエビや肉に特別な下味がついているわけではなさそうだ。変わった材料が不要という点からも、自宅でマネしやすいといえる。
唯一難しいのは酸味の効いた『ガーリックソース』だが、なんとなくシーザーサラダのドレッシングに近い印象を受けた。研究を重ねれば似た味を再現することが可能なはずだし、全く別のソースを合わせてみても楽しいのではないだろうか。
コロナ禍の現在「ステイホーム」が流行のキーワードと言って間違いない。お家でできる『エビロールサムギョプサル』はまさに、そんな時代にマッチしたグルメなのではないか。 ”気づいたらみんなやってた” というタイプの流行なのかもしれないな。
ちなみに私がさっそく自宅でトライしてみた結果、一応それっぽいブツが完成したものの……当然、お店の味には遠く及ばないのであった。気になる人は混み合う時間帯を避けて、まず本物のエビロールサムギョプサルを体験してみてくれ!
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 マッコリの物語
住所 東京都新宿区大久保1-16-24 楽園ビル1F
時間 10:30~翌5:00
定休日 無休
(※ 時間・定休日は変更になる場合があります。詳しくは店舗にお問い合わせください)
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
▼コロナが落ち着いたら新大久保へ!