英ワクチン、高齢者にも使用可=効果めぐり混乱―WHO
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医薬品の製造販売承認は、国際的な臨床試験ガイドラインに沿う形で行い、関係国間の互換性がある程度保たれますが、最終的にな認可は、各国の判断によります。そのため、各国に承認の可否、内容に違いがでます。
判断基準となるのが、ベネフィットとリスクの判断で、ベネフィットには単に有効性だけではなく、他の治療薬(治療法)と比べてのメリット、経済的メリット、緊急性なども加味されて判断されます。ベネフィットおよびリスクは、通常は臨床試験で確認してから判断されますので、未実施や症例不足の場合は「不明」として、承認が見送られるのが原則です。
高齢者や小児、妊婦など、通常(成人)の場合と比べ、異なる体内動態が見られる可能性の高い「被験者」の臨床試験は、市販後にみられる「有効性・安全性」が臨床試験段階と異なる挙動がみられないか、つまりは、より高い確実性を確認してから、臨床試験が開始されますので、これらの患者への認可は、通常は遅れます。
今回、一部の国(ドイツ、フランス、南アフリカなど)と、WHOの判断がわかれているのは、許認可判断において原則を重視した国と緊急性への対応を重視したWHOの違いと考えられます。
「症例数不足」を理由とする承認の見送り、および判断に違いが出るのは、上記の理由によります。今後日本が、当該ワクチンに対してどのような判断をするかによっては、日本の接種計画に大きな影響を与える内容を含んでいます。