2021/2/11

【超解説】今年の「ヒットの法則」はこれだ

コロナ禍で大きく売り上げを伸ばした産業の一つがゲーム業界です。

『あつ森』や『フォートナイト』の世界的な大ヒットは記憶に新しいと思います。2021年はどのようなゲームソフトに人気が集まるのでしょうか。ゲームコラムニストの卯月鮎さんに解説してもらいました。

数字で整理する、2トップのすごさ

2020年、コロナ禍の巣ごもり消費を背景に、エンターテインメントの世界で数少ない勝ち組となったゲーム業界。
なかでもゲームファンに留まらず一般層にも裾野を広げ、社会現象とも言えるほど浸透したゲームが、コミュニケーションゲーム『あつまれ どうぶつの森(通称:あつ森)』とバトルロイヤルゲーム『フォートナイト』です。
この2つの作品は、聞いたことがある人がほとんどではないでしょうか。
まず、2020年3月20日に発売された任天堂のNintendo Switch(以下、Switch)用『あつまれ どうぶつの森』は、世界累計販売本数3118 万本を記録(同年12月末時点)。
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任天堂の看板と言えるSwitch用『スーパーマリオ オデッセイ』(2023万本)やSwitchおよびWii U用『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(2145万本)も超える驚異の数字を叩き出しました。
これは、従来のシリーズ作と比べても、爆発的な数字です。前作ニンテンドー3DS用『とびだせ どうぶつの森』(2012年発売)の累計販売本数は1282万本だったので、『あつまれ どうぶつの森』は実に倍以上の売り上げとなります。
もうひとつの大ヒット作、エピック・ゲームズのオンラインゲーム『フォートナイト』は2017年7月から配信を開始しています。同年9月に実装された100人で対戦して最後の1人になることを目指す「バトルロイヤル」モードで、人気に火が点きました。
プレイヤー数は2018年6月に1億2500万人、2020年5月時点では3億5000万人と右肩上がりで上昇。今ではeスポーツの競技としても定着しています。
学生層などの若い世代を中心に、熱狂的な支持を集めています。

人気の理由は「リアルとのつながり」

では、なぜこの2タイトルが、ここまでプレイヤーの心をつかんでいるのでしょうか。