(ブルームバーグ): 米アップルは電気自動車(EV)の生産に向け、韓国の現代自動車と同社傘下の起亜自動車と協議を行ったが、話し合いは最近中断された。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

同関係者によると、アップルは他の自動車メーカーとも同様の計画について協議してきた。情報が公開されていないことを理由に匿名で語った。

アップルが秘密裏に進めるEV開発プロジェクトはこの数カ月で勢いづいた。アップルが消費者向け端末市場をつくり変えたように、同プロジェクトは自動車産業とそのサプライチェーンに大きな影響を与え得る。

アップルはコメントを控えた。現代自動車は今年1月、アップルと自動運転のEVを巡る開発協力で協議中との報道を認めた当初の発表文を修正し、アップルへの言及を削除した。

現代自、アップルへの言及削除-EV協力報道巡り発表文修正

この発表や、協議に関するその他の報道にアップルは不快感を抱いたという。同社は開発プロジェクトを長年にわたって秘密にし、サプライヤーとの関係を容赦ない効率性を持って管理している。

アップルと現代自動車の協議が再開するかどうかや、その時期は不明。車両を大量生産する能力を有する世界的な自動車メーカーの数は限られ、そのうち何社がアップルとの提携に関心を持つかも不明だ。

関係者1人によると、アップル向けにEVを生産するのが「現代」「起亜」のどちらのブランドになるかを巡り、現代自動車グループ内で対立があるという。交渉が再開された場合、起亜となる可能性の方が高く、同社は米ジョージア州の工場で「アップルカー」を組み立てることを目指していると、同関係者は語った。

アップルの自動運転電気自動車、投入は少なくとも5年先-関係者

原題:Apple Talks With Hyundai, Kia on Electric Car Paused Recently(抜粋)

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