韓国の文在寅大統領(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 バイデン米大統領が就任14日目の2月4日、やっと韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と電話会談を行った。『20年間の中で最も遅れた首脳電話会談』(朝鮮BIZ)というニュースタイトル通り、バイデン―文在寅の初の首脳電話会談は韓国の歴代政権の中で最も遅く行われ、韓国では米韓関係の異常に対する懸念の声が絶えなかった。

 特に、バイデン―菅の初の首脳電話会談があった1月28日には、バイデン大統領は菅首相との会談につづいてすぐ韓国とも電話会談を行うだろうとの予測が多かったが、最後まで大統領府の電話ベルは鳴らず、韓国メディアは蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。

バイデン大統領との電話会談、日本に完敗

 バイデン氏が大統領に就任する前の11月12日には、バイデン―菅の電話会談から30分遅れて、バイデン―文在寅電話会談が行われた。当時、大統領府は、日本より電話会談が遅れた理由について、「電話会談の時間を先に決めたのは私たち」「米国が我が国に便宜を図らせて時間を決めてくれた」「日本より4分も長く通話した」などなど、いちいち細かい弁明を並べ立てた。

 それが今回の首脳会談は、日本よりなんと1週間遅れという「完敗」。そのため、大統領府に弁解の余地はほとんどなかった。その代わりに大統領府が持ち出した説明は、「電話会談が遅れる理由は、大雪とコロナ状況など米国側の国内事情のため」「バイデン政府の初の対北メッセージが出る可能性があるため、通話時点よりは内容が重要だ」というものだった。

 しかし、韓国メディアの見方は違った。バイデン―菅間の首脳会談の直前に行われた習近平―文在寅の電話会談が災いしたという推測が大勢を占めたのだ。