ロシア、欧州外交官3人を追放 ナワリヌイ氏デモに「参加」 欧州側は報復示唆

ロシア、欧州外交官3人を追放 ナワリヌイ氏デモに「参加」 欧州側は報復示唆
ロシア、欧州外交官3人を追放 ナワリヌイ氏デモに「参加」 欧州側は報復示唆
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 【モスクワ=小野田雄一】ロシア外務省は5日、露反体制派指導者ナワリヌイ氏の釈放を求めた1月23日の違法デモに参加したとして、欧州3カ国の外交官計3人を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」とし、国外退去を命じたと発表した。欧州側はロシアの決定に反発しており、両者の対立がさらに先鋭化するのは確実だ。

 ロシアが国外退去を言い渡したのは、在モスクワのドイツ大使館と、在サンクトペテルブルクのスウェーデン領事館、ポーランド領事館に勤務する計3人の外交官。露外務省は発表で、3カ国に対し「外交団が今後、国際法の規範を厳密に順守することをロシアは期待している」とした。

 ロイター通信によると、ドイツのメルケル首相はロシアの決定について「不当であり、法の支配からのロシアのさらなる逸脱だ」と指摘。ポーランド外務省も「ロシアが誤った決定を覆すことを期待する。さもなければポーランドは適切な措置を取る選択肢を残している」と報復を示唆した。

 ナワリヌイ氏は先月17日、昨年8月の毒殺未遂事件の治療のため滞在していたドイツから帰国した直後、執行猶予中の出頭義務違反を理由に露司法当局に拘束された。ロシアでは先月23日と31日、同氏釈放を求めるデモが発生した。

 米国や欧州各国もロシアを非難し、即時釈放を要求。しかしロシアは「内政干渉だ」と反発してきた。露裁判所は今月2日、同氏に禁錮2年8月を科すことを決定した。

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