【岸本拓也】技術やプライドは邪魔。職人から「食人」主導の店へ
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ジャパンベーカリーマーケティング社長・岸本拓也氏の連載第5回です。
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街を歩いていて、巨大な明朝体の文字が目に飛び込んできたことはないだろうか。「考えた人すごいわ」「告白はママから」「あせる王様」「並んで歯磨き」……。
店の看板のようだが、これは店名なのか? それとも何かのメッセージ? しかも周囲には行列ができている。
「これ何?」「パン屋さんだって」「うそぉ!」
こんな戸惑いと驚きを日本全国で勃発させているのが、ベーカリープロデューサーの岸本拓也氏だ。
冒頭に挙げたのは、すべて彼がプロデュースした高級食パン店の名前である。パンという身近な食品の買い物を、エンターテインメント体験に変えた岸本氏とは、いったいどんな人物なのか。その正体に迫る。(全7回)
■第1回 変な名前の高級食パン屋をプロデュースする男の正体
■第2回 難しいものより、わかりやすいものが売れる
■第3回 外資系ホテルを辞めて、パン屋を始めた理由
■第4回 商売の危機「3日、3月、3年」の壁がやってきた
■第5回 技術やプライドは邪魔。職人から「食人」主導の店へ
■第6回 高級食パン専門店は一般のパン屋と戦ってはいけない
■第7回 変わった店名のつけ方と「三等地戦略」
注目のコメント
マジで完全共感でしかない。「食人」って言葉は使わせてもらおう!WAGYUMAFIAも小麦の奴隷も全部その考えでやってます!
「プライドが邪魔をすることがある」その通りですね。日々の仕事でも、プライドが高すぎるが故に、フィードバックを素直に受けとめられず、勿体ないと思う場面があると思います。プライドは時に成長を阻みます。
そして、「当たり前に疑問を持つこと」も大切。そのためには、様々な経験と柔軟性が求められます。
さらに、「心を届ける」が一番響きます。小売業は、単にモノを売るのではなく、買ってくださる方のライフスタイルを豊かにして、ワクワクとハッピーをお届けできる。そして、社会を豊かにするパワーを持っています。そういう想い、一番大切です。この記事を担当したライターの長山です。
お読みいただき、ありがとうございます。
つくる人目線の店づくりから、食べる人目線に大きく方向転換した岸本さん。
長時間労働になりがちなパン屋さんの業務を徹底的に見直します。
ちなみに現在の岸本さんプロデュースの店舗では、パンは基本的に2種類のみ。
プレーンな食パンか、もしくはぶどうパンで、大きさはどちらも2斤サイズ
(ただしお店ごとに商圏をくわしく分析して、
商品を微妙に変えているそうです。
このパンにも、お店ごとにユニークな商品名がついています)。
店構えもふつうのパン屋さんとは違います。
店内にお客さんを招き入れて、お客さんが自分でパンを選んでレジに持っていく方式ではなく、
路面店に設置したカウンターで商品をやり取りするスタイルが主流です
(そうなるとお店の外に順番待ちの行列ができやすくなるので、
それもまた人目を引くのかもしれません)。
商品の種類を極端に絞り、パンを店内に並べない。
それだけでも、かなりの省力化になります。
お店の外観に目を奪われて気が付きませんでしたが、
実はいろいろと考え抜かれているんですね。