【岸本拓也】商売の危機「3日、3月、3年」の壁がやってきた
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注目のコメント
180度の方向転換。うまくいったのはよかったのですが、ややヤケクソ感がしました。ただ、それと裏腹で(次回もそうかもしれませんが)、自分の思い込み、プライドを捨てられたことが勝因と思います。人も企業も「新しいことをやる」よりも「古くからの思い込みを捨てる」ほうがはるかに難しいので。
本記事を担当したライターの長山です。お読みいただき、ありがとうございます。
いよいよ全7回のうちで最も手に汗握る、「どん底回」。
率直に語ってくださった岸本さんに感謝です。
意外にも、一流ホテルのような高級感あふれるパン屋さんを経営していた岸本さん。
そこへ、いわゆる「3日、3月、3年」の壁が立ちはだかります。
「下りエスカレーターのように、なだらかに、なだらかに」売り上げが下がっていったそうですが、これは怖い。
売れない理由がわかりにくいうえ、「これくらいなら大丈夫」と目をそらしているうち、危機に気づくのが遅れそうです。
でもそこで「自分の店のどこがいけないのか」をいろいろな人に尋ねてまわることができたのが、岸本さんの非凡なところ。
聞く姿勢があれば、この問屋さんのように核心を突いたことを言ってくれる人がいる。答えは身近な人が知っている。
自分にとって耳が痛い言葉でも、それを冷静に受け止められる人が、結局は無敵なんじゃないかという気がしてきました。ジャパンベーカリーマーケティング社長・岸本拓也氏の連載第4回です。
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街を歩いていて、巨大な明朝体の文字が目に飛び込んできたことはないだろうか。「考えた人すごいわ」「告白はママから」「あせる王様」「並んで歯磨き」……。
店の看板のようだが、これは店名なのか? それとも何かのメッセージ? しかも周囲には行列ができている。
「これ何?」「パン屋さんだって」「うそぉ!」
こんな戸惑いと驚きを日本全国で勃発させているのが、ベーカリープロデューサーの岸本拓也氏だ。
冒頭に挙げたのは、すべて彼がプロデュースした高級食パン店の名前である。パンという身近な食品の買い物を、エンターテインメント体験に変えた岸本氏とは、いったいどんな人物なのか。その正体に迫る。(全7回)
■第1回 変な名前の高級食パン屋をプロデュースする男の正体
■第2回 難しいものより、わかりやすいものが売れる
■第3回 外資系ホテルを辞めて、パン屋を始めた理由
■第4回 商売の危機「3日、3月、3年」の壁がやってきた
■第5回 技術やプライドは邪魔。お客さんと地域の役に立つ店
■第6回 高級食パン専門店は一般のパン屋と戦ってはいけない
■第7回 変わった店名のつけ方と「三等地戦略」