2021/4/16

【岸本拓也】商売の危機「3日、3月、3年」の壁がやってきた

フリーランスライター
街を歩いていて、巨大な明朝体の文字が目に飛び込んできたことはないだろうか。「考えた人すごいわ」「告白はママから」「あせる王様」「並んで歯磨き」……。

店の看板のようだが、これは店名なのか? それとも何かのメッセージ? しかも周囲には行列ができている。

「これ何?」「パン屋さんだって」「うそぉ!」

こんな戸惑いと驚きを日本全国で勃発させているのが、ベーカリープロデューサーの岸本拓也氏だ。

冒頭に挙げたのは、すべて彼がプロデュースした高級食パン店の名前である。パンという身近な食品の買い物を、エンターテインメント体験に変えた岸本氏とは、いったいどんな人物なのか。その正体に迫る。(全7回)
岸本拓也(きしもと・たくや)/ジャパンベーカリーマーケティング 社長、ベーカリープロデューサー
1975年、神奈川県生まれ。関西外国語大学を卒業後、横浜ベイシェラトンホテルに入社し、広報PRやレストランカフェ、ホテルベーカリーショップのマーケティング、企画業務を担当。2006年、横浜・大倉山に「TOTSZEN BAKER’S KITCHEN(トツゼンベーカーズキッチン)」を開業。2011年よりベーカリー開業プロデュースをスタート。2013年、ジャパンベーカリーマーケティングを設立。ベーカリープロデューサーとして、国内外の300店舗以上(進行中案件を含む)をプロデュース。著書に『ゼロから始める個性派ベーカリー』『「考えた人すごいわ」を考えたすごい人』がある。
INDEX
  • まるでホテルのようなベーカリー
  • 「3日、3月、3年」の壁
  • 「岸本さんはお客さんを選んでいる」
  • 本当にやりたいことは何か
  • バカにしていた明太フランスをつくる