2021/3/27

【南 壮一郎】事業づくりのステップ。まず一次情報を取りに行く

Visional / BizReach Founder & CEO
2009年にビズリーチを創業し、即戦力人材の転職市場を可視化した南壮一郎氏。創業10年の節目で社長の座を譲り、同社を含む4社を統括するホールディングカンパニー、ビジョナルの社長に就任して1年が過ぎた。

起業する前には楽天イーグルスの球団設立に参画し、さらに遡ればモルガン・スタンレーからキャリアをスタートさせている。華やかな成功の連続のように映る道のりの原点は、「強烈なマイノリティ体験」だったという。

南氏の「仕事の哲学」に迫った。(全7回)
南 壮一郎(みなみ・そういちろう)/ビズリーチ 創業者、ビジョナル 社長
1976年生まれ。1999年、米・タフツ大学数量経済学部・国際関係学部の両学部を卒業後、モルガン・スタンレーに入社し、投資銀行部でM&Aアドバイザリー業務に従事。2004年、楽天イーグルスの創業メンバーとなり、チーム運営やスタジアム事業の立ち上げを行う。その後、ビズリーチを創業し、2009年、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」を開設。「HRテック」の領域で日本の採用市場を可視化し、新しい働き方を創造。2020年、ホールディングカンパニーのビジョナルを新設し、社長に就任した。著書に『絶対ブレない「軸」のつくり方』『ともに戦える「仲間」のつくり方』がある。
INDEX
  • ファン開拓プロジェクト
  • チアリーディング企画大成功
  • 異業種の成功パターンを応用
  • 野村監督から学んだこと
  • 新しいステージに挑む

ファン開拓プロジェクト

思い出深い施策は、初年度の2005年に実施したファン開拓のプロジェクトです。球団社長の島田さんから「もっと球場に来てくれるファンを増やしたい。特に小中学生を呼び込む戦略を立てたい。何か考えてくれ」というお題が降ってきました。
小中学生のファンを増やすと、その親をはじめとする多世代のファンを同時に獲得できるというねらいです。特に女の子は友達を誘う伝播力があり、野球ファンになってくれれば将来に母親になってから次世代のファン醸成につなげる可能性も高いという期待を描けました。
(写真:時事)