2021/3/24

【南 壮一郎】チャンスを引き寄せる「言葉」の種まき

Visional / BizReach Founder & CEO
2009年にビズリーチを創業し、即戦力人材の転職市場を可視化した南壮一郎氏。創業10年の節目で社長の座を譲り、同社を含む4社を統括するホールディングカンパニー、ビジョナルの社長に就任して1年が過ぎた。

起業する前には楽天イーグルスの球団設立に参画し、さらに遡ればモルガン・スタンレーからキャリアをスタートさせている。華やかな成功の連続のように映る道のりの原点は、「強烈なマイノリティ体験」だったという。

南氏の「仕事の哲学」に迫った。(全7回)
南 壮一郎(みなみ・そういちろう)/ビズリーチ 創業者、ビジョナル 社長
1976年生まれ。1999年、米・タフツ大学数量経済学部・国際関係学部の両学部を卒業後、モルガン・スタンレーに入社し、投資銀行部でM&Aアドバイザリー業務に従事。2004年、楽天イーグルスの創業メンバーとなり、チーム運営やスタジアム事業の立ち上げを行う。その後、ビズリーチを創業し、2009年、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」を開設。「HRテック」の領域で日本の採用市場を可視化し、新しい働き方を創造。2020年、ホールディングカンパニーのビジョナルを新設し、社長に就任した。著書に『絶対ブレない「軸」のつくり方』『ともに戦える「仲間」のつくり方』がある。
INDEX
  • 世界の現実をカフェテリアで見た
  • 米国の東西でインターンシップ
  • 有言でつかんだ長野五輪の通訳
  • 大人の実像がキャリア観の基礎に

世界の現実をカフェテリアで見た

英語力についてはカナダで暮らしたことがあるのだからなんとかなるだろうと思っていたのですが、実際には苦労しました。
中学1年生までに習得した程度の語彙では大学の講義はついていけず、ゼロから必死に英語を学び直しました。
昼食をとるためにカフェテリアに行くと、見事に人種で座る席が分かれていて、マジョリティである白人の学生たちが真ん中の広いテーブルで楽しそうに談笑し、人数にして1割に満たないアジアンのグループは隅にいて、追いやられているように映りました。
悔しくとも、これが“世界の現実”なのだと感じました。このカフェテリアの風景は、実社会の縮図なのだと。
この世界のど真ん中で自分を表現するにはどうしたらいいのだろうか?と模索する4年間でした。