【南 壮一郎】ビズリーチ創業者がゼロリセットを繰り返す理由
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ビズリーチ創業者でビジョナル社長・南壮一郎氏の連載を本日からスタートします。
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2009年にビズリーチを創業し、即戦力人材の転職市場を可視化した南壮一郎氏。創業10年の節目で社長の座を譲り、同社を含む4社を統括するホールディングカンパニー、ビジョナルの社長に就任して1年が過ぎた。
起業する前には楽天イーグルスの球団設立に参画し、さらに遡ればモルガン・スタンレーからキャリアをスタートさせている。華やかな成功の連続のように映る道のりの原点は、「強烈なマイノリティ体験」だったという。
南氏の「仕事の哲学」に迫った。(全7回)
■第1回 ビズリーチ創業者がゼロリセットを繰り返す理由
■第2回 チャンスを引き寄せる「言葉」の種まき
■第3回 人生の選択に正解なし。流れに乗ってみよう
■第4回 三木谷さんへのプレゼン20分、楽天イーグルス創業
■第5回 事業づくりのステップ。まず一次情報を収集
■第6回 ビズリーチからビジョナルへ。仲間と新たな歴史
■第7回 変わり続けるために、学び続ける「その課題が変わることはよくあり、課題の発見法も自分の内なる思いから湧き出すというより、環境を見渡して見つかる課題にフォーカスしてきた感覚があります。」
事業開発力、ですね。◆捨てるからグレートリセットできる
ビズリーチで有名なビジョナル社長の南氏のインタビュー記事。数年に一度自分のキャリアを大きく変えるグレートリセットをするという。
"思えば、僕はいつも自分でつくり上げてきたキャリアを捨て続けてきました。捨てると同時に、新たな課題を発見し、新たな心で学ぶ。“グレート・リセット”を大いに楽しみ、ゼロに戻ってまた生まれ変われる自分でありたいのです。「変化し続けるために学び続ける」というあり方は僕の特性であり、激変の時代においては強みになると言っていいでしょう。”
幼少時代から父親の転勤によって外国と日本を行き来し、自身で米国の大学を選び、大きな環境変化に飛び込んでいく。その中で様々な経験をしてきたことが紹介されているが、"「一度インストールしたOSも、環境が変わればアンインストールされる。そして、新たなOSを入れ直さねばならない」と切実に学び取っていった"という下りはいつの時代でも通用する話だ。
新しい環境に飛び込んだ時に必要となるのは学び直し(アンラーニング)と呼ばれる過去の成功体験からくる自分自身の考え方や思考パターンを一度捨て去ること。これがなかなか難しい。新しい環境や新しい組織ではそこに適応するために考え方や行動を変える必要がある。そこで必要なベーシックな考え方・ルール(南氏のいうところの新しいOS)をベースに自分の思考や行動を調整する。旧いOSを捨てるのは勇気がいるが、一度経験すると「こういうものだ」とわかる。それを繰り返し行い、どこで適応できることが彼の強みなのだろう。
捨てることは勇気がいる。でも捨てるからこそ入ってくる新しいものがある。一つのものに固執しているとどんどん捨てられなくなり、捨てられないと固執してしまう。一つのものに固執せず、新しいものに変えていくことは生きていく上で必須の要素であり、そうした変化を受け入れるスキルが我々を守ってくれる。捨てて学び直すことは意識してやるようにしたい。