2021/2/27

【竹村詠美】ニーズやシーズは現地に飛び込んで見えてくるもの

一般社団法人 FutureEdu 代表理事
マッキンゼー、アマゾン、ディズニーといった錚々たる世界的トップ企業で経験を積み、共同創業したイベントのチケッティングサービス「Peatix(ピーティックス)」は現在、世界27カ国で利用されている。

次々と新たな分野に挑み、論理的思考力と行動力で道を切り拓いていく竹村詠美氏。

今、力を注ぐのは、次世代を担う日本の子どもたちを育てる教育改革だ。VUCAな時代を生き抜くために必要な力とは何か。国内外の最先端教育を調査し、現場の教師たちをサポートしながら、教育業界に新たなうねりを起こしている。

「未知の世界に飛び込むことが楽しい」と話す竹村氏の原動力とキャリアの軌跡を追う。(全7回)

シンガポールに家族で移住

Peatixのビジネスが国内である程度定着し、資金調達のシリーズAが完了したのち、私はCMO兼アジア担当としてシンガポールに移住しました。
創業メンバーの原田はニューヨークで育ったこともあり、アメリカをやってみたいと話していたので、では私はコンサルティング時代に経験のあるアジアへ行こうと。
(写真:platongkoh/iStock)
これからはアジアの時代だと感じていましたし、アジアで始めるのなら、まずどこが良さそうなのかいろいろ調べました。
すると、どうやら法制度的にも、東南アジアのハブとしての機能としても、シンガポールが良さそうだとわかり、白羽の矢を立てたのです。
4人の創業メンバーのうち、原田がニューヨーク、私がシンガポール、そして岩井と藤田が日本という「3拠点経営」が、突如始まりました。
竹村詠美(たけむら・えみ)/FutureEdu 代表理事、Peatix.com 共同創業者
慶應義塾大学経済学部卒業、ペンシルバニア大学MBA、同国際ビジネス修士。マッキンゼー米国本社やアマゾン、ディズニーの日本法人など外資系7社を経て、2011年にイベント・コミュニティ・プラットフォームを運営するPeatix.comを共同創業。グローバルなビジネス経験を活かした教育活動に取り組み、2016年にFutureEduをスタートし、2018年に一般社団法人化。教育研修を行う「Learn by Creation」を主催。2児の母。著書に『新・エリート教育 混沌を生き抜くためにつかみたい力とは?』がある。
とはいえ、たいしてコネクションがない中に竹やりで戦車に挑むような感じで単身乗り込んだだけ。
しかも、我が家の場合は、当時4歳の娘と6歳の息子、夫も含め家族全員でシンガポールに移住しました。