2021/2/17

【安永雄彦】思い通りにならない会社員人生、どうしたらいいか

ライター&編集者
東京・築地にある浄土真宗本願寺派の寺院・築地本願寺。近年、時代の変化とともに“寺離れ”が進み、参拝者が年々減少する中、大胆な寺院改革を進めている。参拝者は2015年からの5年で、2倍の250万人に増えた。その仕掛け人が、代表役員・宗務長を務める安永雄彦氏だ。

安永氏は銀行勤務を経て、コンサルティング会社を経営、通信教育で仏教を学び、50歳で得度して僧侶になったという異色のキャリアの持ち主。2015年7月、企業でいえば社長にあたる宗務長に民間企業出身者として初めて抜擢された。長年経験を積んだ僧侶が就くのが通例の中、まさに異例の登用だ。

なぜ僧侶の道を選び、伝統的で保守的な組織の改革を進めることになったのか。安永氏のキャリアと哲学を追う。(全7回)
安永雄彦(やすなが・ゆうひこ)/浄土真宗本願寺派 築地本願寺 代表役員・宗務長

1954年東京生まれ。開成高校、慶應義塾大学経済学部卒業。ケンブリッジ大学大学院博士課程修了(経営学専攻)。三和銀行(現・三菱UFJ銀行)に21年間勤務。JR東日本で新規事業の企画開発に従事。ITを活用した消費者金融会社のモビット(現・SMBCモビット)を設立、財務・人事管理部門のヘッドとして開業を担当。外資系大手エグゼクティブ・サーチ会社(ラッセル・レイノルズ)を経て、島本パートナーズに参画。社長として経営幹部人材のサーチ・コンサルティング業務に従事し、企業経営者や大手企業幹部向けのエグゼクティブ・コーチング活動を行う。2015年7月、築地本願寺代表役員・宗務長に就任。著書『築地本願寺の経営学―ビジネスマン僧侶にまなぶ常識を超えるマーケティング』

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