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2011年より約10年間製薬企業米メルク社のトップをつとめました。フレーザーCEOは弁護士資格を持ち、前職の法律事務所パートナーの時に同社の顧問弁護士をつとめたところから、同社との関係がスタートしています。同社は、一貫して研究開発を重視する革新的な企業として知られています。

在任中の同社の業績は、常に世界のトップクラスで、現在の売り上げは年間5兆円程度、そのうち、「キイトルーダ」という抗がん剤(「オプジーボ」のライバル薬)の売り上げが5分の1以上を占め、同社をけん引しています。

メルク社製のコロナ・ワクチンは、参入を表明している世界23企業連合中、おおむね17~18番目の位置づけでした。これの開発中止が、先日報道されました。先行する企業のワクチンが世界にいきわたるとワクチンの需要が急減することが予想されますし、まして先行開発品と比べて商品力が劣ることが予想されたので、大規模な臨床試験のステージに進み、今後多額の追加資金が必要になる前の段階で開発を打ち切るという経営判断が行われたようです。同社は、他の系統の新コロナへの医薬品研究開発に集中するとしています。この件と、フレーザーCEOの退任との関連性を見出すことはできません。

同社の取締役会は、フレーザーCEO以外は「全員社外取締役」から構成されており、取締役には、研究者、医師、消費者団体、IT企業、広告企業、ベンチャーキャピタルなどから選出されています。明示的な経営と執行の分離がなされています(米国ではよく見られます)。高い倫理コードが求められる製薬企業において、コーポレート・ガバナンスのありかたがよく考えらえています。

米メルクは第一次世界大戦中の独メルクの米国事業の接収により独立、その後成長を続け、世界のトップ企業に成長しています。米国を除く国では、独メルクと区別するため、基本的にMSDという企業名が使われています(日本でもMSDです)。
米製薬大手メルクのケネス・フレーザー最高経営責任者(CEO)が6月末で退任し、ロバート・デービス最高財務責任者(CFO)が後任として就任すると発表しています