[ロンドン 4日 ロイター] - 英オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルの2020年決算は、ロイターのデータによると調整後利益が71%減の48億ドルと少なくとも2000年以降で最低となった。新型コロナウイルスの流行で世界的にエネルギー需要が低下した。

石油・ガス生産と原油精製による利益が大幅に減少した。だがトレーディング部門が好調だったほか、コンビニエンスストアを併設した給油所の売り上げが貢献し、同業他社のような大幅な損失は免れた。

新規事業投資は178億ドルと前年から60億ドル縮小し、営業費用も325億ドルと12%切り詰めた。

燃料販売は28%減少したが、マーケティング・トレーディング部門の調整後利益は前年比3%減の46億ドルにとどまった。

一方でキャッシュフローが20%近く落ち込んだほか、負債比率は29%から32%に上昇し同社の目標を上回った。

第4・四半期決算は利益が前年同期比87%減の3億9300万ドルとアナリスト予想の5億9700万ドルに届かなかった。液化天然ガス価格の低迷、生産の減少、精製マージンの低下が重しとなった。

ただ見通しには自信を示し、第1・四半期の配当を前期比4%引き上げる見込みとした。

昨年末時点の純債務は754億ドルと前期比20億ドル増加した。