[フランクフルト 3日 ロイター] - 独コメルツ銀行のクノッフ最高経営責任者(CEO)は3日、従業員1万人の削減と数百の支店閉鎖を盛り込んだリストラ計画をまとめた。今年初めの就任から1カ月で、早くも思い切った措置を打ち出した形だ。

コメルツ銀は、2020年の純損益が約29億ユーロ(35億ドル)の赤字になるとの見通しも示した。19年は5億8500万ユーロの黒字だった。

同行は幹部の相次ぐ交代や戦略の迷走で収益力向上に苦戦。10年余り前の金融危機で政府の救済を受けて以来、今もなお完全に立ち直っていない。ただ現首脳陣は今回の計画によって経営が上向くと期待している。

先週にリストラ計画の概要を公表した後、監査役会や経営幹部と詳細部分の検討を続けていたクノッフ氏は「われわれの新しい戦略は、コメルツ銀行が持続的に黒字を計上できる態勢に向かう土台を生み出す」と述べた。

計画によると、2024年までにフルタイム従業員の25%近くが削減され、対象人員のおよそ3分の1はドイツ国内が占める。また支店総数は790から450に縮小する。

大株主デカのポートフォリオマネジャー、アンドレアス・トーメ氏は「クノッフ氏はコメルツ銀が単独で存続していける十分な条件を整えようとしている」と指摘した。