[ワシントン/モスクワ 3日 ロイター] - 米国とロシアは3日、新戦略兵器削減条約(新START)を5年間延長したと発表した。米ロ間に唯一残された核軍縮条約で、延長されなければ今月5日に期限切れを迎えていた。

2026年2月5日まで延長される。これにより配備可能な戦略核弾頭が米ロともに1550個以内に制限されるほか、核弾頭を搭載する大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、重爆撃機も制限される。

バイデン米大統領は1月26日、就任後初めてのプーチン大統領との電話会談で、新START延長に合意。プーチン大統領は1月29日、同条約を5年間延長する法案に署名した。

ブリンケン米国務長官は声明で「米国の国益を高めるためにロシアと協力すると同時に、ロシアの敵対的行動や人権侵害の責任追求にも取り組んでいく」と述べた。

ロシア外務省は声明で、新STARTの正式な延長に必要な外交文書がこの日に交換されたと発表。「米国の破壊的な政策を受け軍縮や核不拡散メカニズムの崩壊につながる動きがここ数年で広がったが、新STARTの延長によって終りを迎えるだろう」とした。

米当局者も外交文書が交換されたことを認めた。

核兵器廃絶を提唱するプラウンシェアーズ財団のトム・コリーナ氏は、バイデン大統領はロシアとの追加合意に向けた協議を行う前に米国の核兵器政策を見直し、欧州の同盟国と協議するだろうと指摘。トランプ前政権は中国を含めた三カ国での核兵器交渉を求めていたが、中国の核兵器備蓄は規模が小さすぎるため、新STARTに中国を含める必要はないとした。

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