[ムンバイ 2日 ロイター] - 格付け会社フィッチ・レーティングスは2日、インドの財政赤字拡大と返済ペースの鈍化で政府債務が増大し、ソブリン格付けの重しになるとの見方を示した。

シタラマン財務相によると、今20/21年度(2020年4月─21年3月)の財政赤字は国内総生産(GDP)比9.5%に達する。予算策定時の3.5%やアナリスト予想の約7%を大きく上回る見込み。

21/22年の財政赤字は国内総生産(GDP)比6.8%となる見通し。ロイターが集計したエコノミスト予想の5.5%を上回る。 

フィッチのアジア太平洋政府格付け部門のジェレミー・ズーク氏はリポートで「2月1日に発表した予算案でインド政府が示した財政赤字目標は我々の想定より高く、中期的な財政強化はより緩やかになった」と述べた。

同氏は、政府が医療や景気回復支援策を講じることは理解できるとしながらも、同国の公的債務が新型コロナ危機以前から高水準にあった点から考えると、財政余地はほとんどないと指摘。

その上で「景気回復の足取りが予想より鈍いことや、中期的な成長率予想の見直しが、債務比率の削減をより困難にし、格付けへの圧力が増加する」との見方を示した。