[パリ 5日 ロイター] - 5日の欧州株式市場は、上昇して取引を終えた。業績が市場予想を上回った郵便・物流世界最大手ドイツポストDHL<DPWGn.DE>が買われ、全体水準を押し上げた。

FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は4.47ポイント(0.34%)高の1334.59で取引を終えた。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は1.74ポイント(0.06%)高の3072.20だった。

ドイツポストは第2・四半期の利益が市場予想を上回り、株価が2.2%上昇した。

フランスのメディア大手ビベンディ<VIV.PA>も3.6%上昇。 スペインのテレフォニカ<TEF.MC>がビベンディに対し、傘下であるブラジルのインターネットプロバイダー、GVTに67億ユーロ(89億9千万ドル)の買収提案をかけたことが材料視された。

フランスの銀行大手クレディ・アグリコル<CAGR.PA>は2.2%上昇した。経営危機に陥ったポルトガルの大手行バンコ・エスピリト・サント(BES)<BES.LS>の株を保有していることで被った損失を第2・四半期に計上したにもかかわらず、業績が市場予想を上回ったことが支援材料となった。

一方、南欧の株式相場は振るわなかった。BESをめぐる混乱で投資家は引き続き同地域の銘柄を手放している。イタリアの銀行バンコ・ポポラーレ<BAPO.MI>とインテサ・サンパオロ<ISP.MI>はそれぞれ3.8%と2.4%の下落、スペインの銀行バンキンテル<BKT.MC>も4.3%値下がりした。

対ロシア制裁も引き続き相場の重しとなっている。ロシアのプーチン大統領は5日、欧米諸国がウクライナ危機をめぐって発動した経済制裁に対抗措置を取るよう指示したと述べた。

自動車銘柄も売られた。イタリア自動車大手フィアット<FIA.MI>は3.1%下落。ドイツの自動車大手ダイムラー<DAIGn.DE>とフォルクスワーゲン(VW)<VOWG_p.DE>はそれぞれ1.2%と1.6%下げた。中国の独禁当局が、ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツを捜査していると報じられたことが不安材料とされた。