2021.01.31
# DX

日本人は知らない…中国とアメリカの「デジタル生活」、ここまで便利になっていた!

世界中で「デジタルシフト」を本格化する中、その真の価値に気づく人が増えている。それはデジタル化がもろにわれわれの生活を直撃して、大きな変化を生み出してきたのが大きい。『アフターデジタル - オンラインのない時代に生き残る』『アフターデジタル2 UXと自由』の著者の藤井保文氏は、デジタル先進国・中国などで起こっている現実を踏まえて、イノベーションで我々の暮らしや世界は一変すると言う。すでに中国やアメリカではなにが起きているのか、そしてこれからいったいなにが起きるのか――藤井氏が、その驚くべき最前線をレポート!

アリババ『芝麻信用』の正体

中国のEC最大手「アリババ」の傘下にアントフィナンシャルがあります。彼らが提供している「芝麻信用」を皆さんはご存知でしょうか。いま「信用スコア」が世界的に注目を集めていますが、これは企業や国にとっても顧客を引き寄せ、社会を豊かにする大切なツールと見なされているからです。

まずは「信用スコア」とは何か。「芝麻信用」を例に見ていきましょう。

中国ではキャッシュレス化が進み、ほとんどの支払いはスマートフォンで行われています。その支払いデータが蓄積され、個々人の支払い状況の分析が可能となっています。

また中国ではアリババがEC市場の50%のシェアを持っていますし、モバイルペイメントのアリペイのシェアも全体の50%を超えています。アントフィナンシャルは中国全土の半分の取引データを持っていると考えられています。

アリババ創業者ジャック・マー Photo/gettyimages
 

その取引データを中心に信用格付けをしているのが「信用スコア」、つまり「芝麻信用」です。

スーパーやコンビニ、屋台やECでの買い物のデータだけでなく、アリペイでは公共料金の支払いや納税もできるので、ほとんどすべての取引データが「芝麻信用」には蓄積されます。これらの支払いが遅滞なく、定期的にしっかりと行われているのか、またどのくらい納税し、年収や資産などの規模がどのくらいあるのか――こうした情報をもとに個人の信用力を推し量っているわけです。

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