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ただ、大規模な景気の落ち込で仕事に窮した企業の人件費を政府が雇用保険で幅広く肩代わりすることは難しく、現に、雇用調整助成金を含む「地域雇用機会創出等対策費」は、当初予算1,372億円だったものが3度の補正を経て3兆4,129億円に膨れ上がり、雇用保険の積立金から1兆7千億円を特例的に借りて賄う状態です。このため、新型コロナウイルス前に4兆円以上あった積立金は、このまま行けば本年中の早い時期に底をついてしまいそう。
これだけの資金を使って企業を支える一方、失業給付費の予算は、1兆4,843億円に過ぎません。企業を離れた人を直接支援して転職を助けるより、事業に窮した企業を保護して解雇を防ぐ日本の雇用保障の特性が如実に表れています。
「試行的な雇用に対する助成金制度の活用も促し、宿泊業や飲食業など雇用環境が悪化している業種から、人手が不足している業種への労働者の移動を支援する」とのことですが、従業員を出向させる企業と受け入れる企業の双方に助成金を払うなどして企業を支えることに重点が置かれ、本格的な雇用の流動化にはまだまだ及び腰な様子が見て取れないでもありません。
制度の枠組みそのものを危急時に見直すことは難しく、今はそうして対応が精々であることは分かります。しかし、現在の職場で雇用を維持することが前提の雇用調整助成金は、期間が長引けば長引くほど、人手不足の業種・職種への人の移動を妨げ、日本の中長期的な成長を阻害します。これを機に、企業を保護して解雇させない雇用保障の仕組みから、企業を離れた従業員を直接支援する仕組み、すなわち失業給付、職業訓練、職業斡旋、労働移動支援助成金といったものの拡充に重点を移すことを真剣に検討すべきであるように思います。
しかし、過去のGDPを失業者数の関係を見ると、失業への悪影響はGDPの悪化から半年遅れて出ますので、緊急事態宣言解除の翌月まででは延長期間が足りないような気がします。
私のいるフィリピンでは日本ほど手厚い助成金はありません。
しかし、助成金を悪用する会社もありますし、普通でも生き残れない弱い会社生き延びてしまうマイナスもあります。
最後は税金で国民が負担しなくてはいけないので、やりすぎには注意しないといけませんね。
航空業界等はもとより、インバウンドの恩恵を被っていた百貨店や国内観光業などは、国家間の人の移動が元に戻るまで厳しい状況が続くでしょうから。
対処療法的な雇用維持はいずれ限界がきます。
人材流動化を促して人手不足の分野へのシフトを円滑化するための抜本的な対策が必要になるでしょう。
延長はやむを得ないと思います。
企業の存続を守る、個々の雇用を守るための雇用調整助成金です。サービス関連業は、人件費率がとても高いため、もし助成がなければ企業は存続するために、従業員を多く切らねばなりません。そうなれば、これまでと比較にならないほどの失業者が町にあふれることになります。
問題は、そういう社会不安のある中、国としていつどのタイミングで雇用調整助成金を打ち切っていくのか、ソフトランディングさせていくのか。この後、非常に大きな焦点になると思われます。
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https://newspicks.com/news/5574543