中国、電子部品産業を育成、23年に34兆円規模めざす
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中国がハイテク分野での自立を目指して、自国の電子部品産業を育成しようとすること自体は自然なことだ。
しかし巨額の政府資金で国際競争力を高める手法は、かつて日本がそうであったゆように欧米の先進資本主義国からは、非難の的になりやすい。
だが最も重要な視点は、中国政府の産業政策が「市場の原理や秩序」というものを考慮しないで実行される傾向にあるということだ。
典型的な例が鉄鋼生産だ。国際的な市況を踏まえるポーズをとりながらも、自国の雇用を優先したり、余剰品の輸出振り分けなどを堂々と展開した。
また国際的なシェアが高くない時期に、巨大な鉄道車両製造会社を誕生させ、独占禁止法の網をくぐったこともある。
中国がグローバル経済や自由貿易の旗手を唱えたいのであれば、市場原理に沿った産業政策を守っていくべきだ。
米国のバイデン政権は、中国との貿易交渉では、貿易量の赤黒ではなく、こういった中国の産業政策こそ、真剣に交渉の材料にしていくべきだと思う。
注目のコメント
半導体は勿論、電子部品産業全般は今や中国ベンチャー
投資において、主戦場の1つとなっています
・「去美化(サプライチェーンからの米国要素の除去)」
「国産化」は至る所で耳にする足の長いマクロテーマに
・これまでtoCインターネットに投資してきたTier1 VCや
ネット大手と製造業周りの案件で出くわす機会も多い
資本市場の力もレバレッジして、後発産業を力ずくで
upgradeしようという勢いは、正直羨ましくも感じます...
例えば5G向けパワーアンプで言うと、外部資金調達に
進んでいるベンチャーは簡単に10社以上見つけられるし、
その経営陣の殆どは米国SkyworksやQorvoからの海亀組
フィルターやコンデンサー(passive系)のような地道な
コツコツ型・職人芸の分野は日本に優位性があるにせよ
(それも職人の承継問題はありますが)、
パワーアンプ(active系)のようなモジュール化・
アルゴリズム利用可能なデジタル要素の強いものづくり
はかなり「時間の問題」という感じはします...
なお「去美化(米国要素除去)」の対象に日本は含まれず
中国から日本には秋風が送られてきていますが、これらに
どう向き合っていくのかも大きな論点かと思います
・中国向けサプライチェーンと米国向けサプライチェーン
を分けるのかどうか
・ドラスティックな日系企業は、サプライチェーン上の
米国企業を買収し去美化した上で中国と取引してるとか電子部品、中国でどれくらい生産が広がるか。
ノウハウがある領域なのと、高付加価値かつ軽量なので、空輸でも行ける(半導体含め)。一方で、サプライチェーンの近くで作りたいニーズや、関税などの影響をできる限り避けるには現地生産のほうが良い。このリスクリターンの綱引き。
米中対立などでEMSの中国以外へのシフトも、今後数十年の生産拠点として部品メーカーがどうしていくかに影響する。そしてバリューチェーン・産業集積を成立させるのは一朝一夕にはいかない。中国自体は世界の工場として20年以上やっているわけで、一定のバリューチェーンや人材・知見での蓄積はあるが、電子部品・半導体の最先端品では存在感が低いのが現実。ここでの電子部品はデバイスというよりは完成品のコンポーネントといった位置付けの電子部品でしょうね。
ユニークな機能性部品を作るというよりは、完成品の一部として需要が確定しているコンポーネント。
しかしコンポーネントからデバイスに発展していく企業も登場してくる可能性は十分あるので、待遇などものづくりに対する姿勢と投資環境が整って来れば、更なる技術者の中国流出が加速する恐れも。。