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開発 2021.01.29 sponsored

2021年のいま、XR業界に求められる人材とは? 約4000件ものXR開発を手がける企業に聞く

2021年も引き続き盛り上がりを見せているXR(VRやAR、MR等の総称)業界。ビジネス向け・コンシューマー向け問わず、様々なコンテンツやサービスが日夜生まれ、話題を呼んでいます。他方で、「XR業界で求められているのはどのような人材なのか?」「現在のXRコンテンツ開発に求められる姿勢とは?」という問いに答える情報は決して多くありません。

そこで今回Mogura VR Newsでは、XRコンテンツを多数手がけている株式会社クリーク・アンド・リバー社のUnityエンジニア・高橋賢氏、そして同社VRディビジョンの責任者を務める渡辺愛美氏にインタビュー。現在のXR業界の業務スタイルや、求められる人材について聞きました。

高橋賢/Satoshi Takahashi
クリーク・アンド・リバー社 VRディビジョン エンジニア。コンシューマゲーム開発を経験、その後i-modeやスマートフォン向けゲームの開発に携わる。2016年よりクリーク・アンド・リバー社に参加、XR関連のクライアントエンジニアを務めている。

渡辺愛美/Aimi Watanabe
クリーク・アンド・リバー社 VRディビジョンディビジョンマネージャー。映像やゲーム業界関連の営業企画や自社開発アプリのプロモーション担当等を経て、2016年からVRディビジョンの責任者に。事業計画や法人営業などを担当。

XR開発は「自分が全面的に関われる」仕事

――高橋さんはいわゆる「VR元年」(2016年)からXRコンテンツの開発に携わっているんですね。どういう経緯でXR分野に足を踏み入れたのでしょうか?

高橋:

ひとつは「自分が開発の中心になれる状況を作り出せそうだったから」ですね。自分はファミコン世代で、プログラマになってからはコンソール機向けのゲームを開発していたんです。あの頃のゲーム開発はいわゆるスーパープログラマが中心にいて、周りの人はそれを手伝うスタイルが主流でした。僕も当時は新人でしたから、開発の中心に食い込んでいくのはかなり難しくて。

一方で、当時は携帯電話向けタイトルの開発は人気がなくポストも空いていた。新しい分野ということもあり、チャンスがあるんじゃないかと思ったんです。それで手を上げて実際にやってみたら面白かったし、仕事でできることの幅が増えた。未知のジャンルを開拓するのが楽しくて、その後はスマホ、そしてXRに興味を持つに至りました。それがちょうどクリーク・アンド・リバー社がXRコンテンツ開発をスタートした時期と重なり、タイミングが合った結果、今ここで仕事をしている、といった感じですね。

渡辺:

2016年は「VR」という言葉を聞く機会がぐっと増えた年でしたが、体験したことがある人は少なく、さらに開発者となると極めて珍しかった時期です。クリーク・アンド・リバー社はクリエイティブが根幹にある企業ということもあり、「VR事業を始めるからには、VRコンテンツ制作を強みにしていこう」という話こそあったのですが、当然ながら周りに経験者がいなかったんです。そんな中、入社して「こうすればできるんじゃない?」と提案してくれたのが高橋さんでした。


(※写真は取材とは別日に撮影)

高橋:

自分がXR開発に携わり始めたもうひとつの理由は、単純に「作って・人に見せて・改善するのが面白かったから」ですね。当時はXRコンテンツのお手本、いわゆるテンプレが全くなかったんです。様々な開発者の人たちがひたすら試行錯誤して、デモを作って、見せて、フィードバックをもらって改善する……というプロセスを繰り返していました。

――Oculus RiftやPlayStation VR、HTC VIVEが発売された2016年前後は、まさしくハード・ソフトともに「実験場」という感じでした。

高橋:

当時からXR分野の最前線で活動している人は「面白そう」や「これで何か新しいことができそう」といった関心からスタートして、試行錯誤を繰り返している印象があります。そういったスピリットは今の業務でも活きていますね。

求められているのは「未開拓の分野を楽しめる人」

――実際の業務の話に移らせてください。貴社は、数多くのXRコンテンツ開発を手掛けられていますよね。XR開発ではどのような業務スタイルが多いのでしょうか。

高橋:

「プログラミングだけに集中していればOK」な業務は比較的少ないです。XR系はひとつひとつのプロダクトが小さめなので、数十人単位で細かく分業するのではなく、少人数で複数の業務を横断して作ることが多くなるんですよ。必然的に一気通貫で、お客さんとの初回ミーティングからマスターアップまで関わるケースが増えます。私はUnityのクライアントエンジニアですが、案件が営業段階にある最初のフェーズから関わっているプロジェクトが大半です。

渡辺:

今のところウォーターフォール的なフローが通用しづらいケースも多いんですよね。なので「技術の観点から見たらどうか」「ビジネスの観点から見たらどうか」という意見を互いに出し合って、よりよい結果を目指すスタイルを取っています。

高橋:

実際、ヒアリングを繰り返していく方が効率がいいんです。よくよく話を聞いていると、お客さまが出してくる要望と「本当に実現したいこと」が違っていた……なんてこともありますし。実際に現場で使う人が考えるXRと、目の前のお客さまの考えているXRにズレがあることもある。ここをきちんと聞き出して、見つけていく必要があります。弊社に限らず、XRで良いプロダクトを作ろうと思ったらヒアリングは避けて通れないと思います。粘り強くやれる人は強いですね。

渡辺:

ビジネス領域で言うと、BtoBに特化している点が強いですね。XRだけでも、直近1ヶ月間だけで見ても20以上のプロジェクトが走っているので、クリエイターの方に声を上げていただければ色々なプロジェクトに関わることができる体制となっています。クリーク・アンド・リバー社には国内最大級の自社開発スタジオがあります。クリエイターが800人以上所属しており、XR以外にも様々な案件が進行しています。極端な話、XRのチームだったとしても、XRではない他の分野に参加することもできる仕組みです。


(クリーク・アンド・リバー社で開発したXRコンテンツの一例。VR/MRを活用した「未来の決済体験」をイメージしたコンテンツや、VRを使った教育研修コンテンツなど、手掛ける分野は多岐に渡る)

――XRのみならず、違う分野のエンジニアリングに関わることもできるのは、新たな知見の発見やクリエイターの可能性を広げるのにも役立ちそうですね。

高橋:

先ほど渡辺が話したように、結構な数のプロジェクトが常に進行しているので、自分から能動的に働きかけていけば面白い案件に関われると思っています。そもそも私たちののディビジョンもヴァーチャルをかなり広義に捉えているので、プロジェクションマッピングやセンサー連動アプリなど、多種多様な案件があります。HMDをかぶるVRだけやっているわけではないので、違う分野もやってみたいと思ったら手を上げやすい環境かと。メンバーのこともよく見てくれていますし。

渡辺:

デジタルコンテンツ・グループでは、当社のミッションである「クリエイターの生涯価値の向上」を実現させるため「やる気と能力のある人材の生涯収入の向上」を具体的な目標にしており、クリエイターの成長機会を重視する文化があります。知りたいことにはきちんと答えられるように全力を尽くしますし、他分野にもチャレンジしやすい、オープンな環境づくりを目指しています。プロジェクトに参加しやすいシステムやクリエイターの知見共有の促進もその一環ですね。最近では、いかにクリエイターに収益を還元できるか、その新しい仕組みづくりにもトライしています。

高橋:

エンジニアの幅・層ともに広いのも面白いところです。映像系では60歳近いエンジニアの方も第一線で活躍されていますし、ソフトウェアだけではなく、マイコンを使ってハードウェアを作ったりしている人も結構いて。

――最後になりますが、クリークアンドリバー社、ひいてはXR関連での開発にはどんな方がフィットしやすい、あるいはどんな方に来てほしいと考えていますか?

高橋:

この未開拓の分野を楽しめる人、それゆえに生じる試行錯誤も面白いと感じられる人が向いていると思います。他の分野と比べてXRはまだまだ発展途上ですから、その可能性を面白がってチャレンジできる人が来てくれると嬉しいですね。私は、面接の対応をしているのですが、新卒・中途問わずに、まだ道が整っていないジャンルに挑戦していける人は、XR分野にもクリーク・アンド・リバー社にもうまくハマるのではないかと。

渡辺:

楽しい未来を一緒に描いて、挑戦すること自体にワクワクしてくれる人はフィットすると考えています。ちょうどクリーク・アンド・リバー社のXR事業が5年目に入るのにあたり、今後の社会やビジネスの動き方を踏まえて体制や採用を強化しているところなので、興味のある方、特にUnityエンジニアの方はぜひ一度検討してほしいですね。

――ありがとうございました。

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