[ニューヨーク/ダラス 28日 ロイター] - 米小売り大手ウォルマート・ストアーズは28日、アマゾン・ドット・コムに対抗する形で広告事業を積極的に拡大していく方針と、その基本的な戦略を明らかにした。

ウォルマートが打ち出したのは(1)全米に展開する店舗の広告スペース拡張(2)トレード・デスク社との提携による新たな広告プラットフォーム構築(3)各ブランド企業とのデータ共有――といった措置。事情に詳しい関係者の話では、これらの戦略はウォルマートが今後5年で広告事業規模を10倍以上に膨らませるという野心的な計画の鍵を握る。同社は5年以内に米国の広告プラットフォーム上位10社に食い込むことを目指しているという。

同社が19年初めに外部の広告事業者との関係を解消して立ち上げた「ウォルマート・メディア・グループ」は、「ウォルマート・コネクト」に名称変更する。

最高カスタマー責任者のジェニー・ホワイトサイド氏によると、各ブランド企業はウォルマートが持つ買い物データを利用できるようになれば、より的を絞った広告を出すことが可能になるだけでなく、店舗におけるリアルタイムの売れ行きを把握し、必要に応じて広告内容を修正できる。

またウォルマートは、アマゾンと競争していく上で実店舗を持つ強みを生かす考えで、4500を超える米国の店舗に設置する17万台強のスクリーンを広告スペースとして提供する。