ニッポンの電池材料、液晶の轍は踏まず
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日経ビジネスオンラインでの特集「テスラが仕掛ける電池戦争」の最終回で、LCDとバッテリーを材料の視点からまとめた記事です。
材料メーカーからの生々しい言葉が載ってます。
>液晶と電池素材の両方を手がける化学メーカー幹部はこう語る。
>「ある液晶メーカーはサプライヤーに投資を丸投げし、自分が苦しくなったら韓国に客先を探しにいった。この反省から、電池メーカーと我々のような材料メーカーはすり合わせをはじめ、社内にノウハウをいかに残すかに心を砕いている」
現在CATLは中国製、Korean3は韓国製それぞれの素材メーカーから供給を受けるようにシフトしてきました。以前はは日系材料メーカーから電池素材を買わなければリチウムイオン電池を作れなかった時代は終了しつつ有ります。
しかし中韓の材料メーカーが継続して提供し続けるとことが出来るか、というとどうでしょうか。安定した品質保証に加え、素材の組み合わせを地道にしつこく行うことが求められるからです。
>「電池材料の難しさは同じ品質のものを安定してつくること。定められた規格の中で特性を一定に保たなければならない」と話す。ある性能が突出すると、代わりに劣化が激しい因子が見つかるなどの現象が起きやすい。「材料による相性も見ながら調整していく。これがいわゆるすり合わせになるのではないか」
本連載の第2回で欧州の状況もリポートしてましたが、BASFやUmicoreなどの古くからの材料メーカーはおりますが、電池の系で素材を組み合わせて開発し続けて来たところはごく少数だと思いますが、欧州材料メーカーの方が侮れませんね。
電池材料は、各部材の組成の組み合わせがある分、液晶ほど一筋縄ではいかないと思います。先日もシリコン負極材料メーカーのSila Nano Technologiesが資金調達をしたニュースが出てましたが、ダントツ性能の材料を開発すれば済まないのが電池の世界です。
つまり電池開発自体に「擦り合わせ」の妙が有ります。肝となるのは「擦り合わせ」をどの段階のプレーヤーがやるかが重要だと思います。テスラの内製化は電池開発とは「擦り合わせ」であることをパナソニック、現在のマルチサプライヤー管理から学んだ結果の行動だと思います。
次世代電池の研究開発の成果をいち早く大量生産プロセスに流し込むことが、勝負の分かれ目だと思います。