[チューリヒ 28日 ロイター] - スイスの大手腕時計メーカー、スウォッチグループが28日発表した2020年決算は、純損益が5300万スイスフラン(6000万ドル)の赤字となった。年間赤字は、同社が現在の経営形態を立ち上げ、看板商品となったプラスチック製腕時計を発売した1983年以降で初めて。新型コロナウイルスの感染拡大や、アップルなどのスマートウォッチの参入が痛手になった。

スウォッチは世界中で384の店舗を閉鎖。これはパンデミックや香港の政治的混乱の影響だ。さらに国境をまたぐ移動が制限され、多くの旅行者が空港の免税店やパリなどの観光地のショッピング街を訪れることができなかったことも逆風だった。

またスウォッチの場合、売上高の少なくとも3分の1を単価1000ドル未満の腕時計が占めているため、アップルなどとの競争にさらされる面が大きく、同業者よりも打撃が大きかったとみられている。

スウォッチの20年売上高は前年比32%減の55億9000万フラン。スイス腕時計業界全体の減収率(22%)より大幅な落ち込みを記録した。

同社は配当の37%減額も提案した。