[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米ビデオゲーム販売のゲームストップは、個人投資家の買いで今週に入り360%以上値上がりしているが、同社株の値上がりで恩恵を受けたファンドは、一部の上場投資信託(ETF)に限られているようだ。

ウェドブッシュ・ETFMG・ビデオ・ゲーム・テックETF(運用資産1億8900万ドル)は27日に16.1%以上上昇。週明けからの上昇率は約25%に達した。

SPDR・S&PリテールETF(運用資産7億5800万ドル)も12%上昇し、週初から21.9%値上がりしている。

ただ、ゲームストップ株を保有するミューチュアルファンドは比較的少なく、同株急騰の恩恵にあずかったファンドはあまり多くない。

リッパーのデータによると、直近の報告でゲームストップ株を保有していたミューチュアルファンドは、わずか367本。ゲームストップと競合するベスト・バイ株を保有しているミューチュアルファンドは2151本だった。

アナリストは、ゲームストップ株の急騰について、ミューチュアルファンドの保有比率が少ないことが一因だと指摘。

調査会社CFRAのディレクター、トッド・ローゼンブルース氏は「機関投資家に広く保有されている銘柄は、主力の長期投資先であることが多く、株価の安定度が増す可能性が高い。個人投資家の保有比率が高い銘柄は、比較的急ピッチでホットマネーが流出入する可能性がある」と述べた。

ゲームストップ株の保有で全体の運用成績が上がった大手ファンドは少ない。

リッパーのデータによると、フィデリティ・イントリンシック・オポチュニティズ・ファンドは、ゲームストップの発行済み株式の9.75%を保有しているが、同ファンドの運用資産に占める比率は、わずか0.64%。年初来の運用成績はプラス5.6%で、ラッセル2000指数の上昇率を約1.5%ポイント下回っている。

リッパーによると、ブラックロック・アドバンテージ・スモール・キャップ・コア・ファンドが保有するゲームストップ株も、運用資産の0.03%だ。

世界最大の資産運用会社であるブラックロックは、全体では昨年末時点でゲームストップ株を約920万株保有。その後、同株を売却していなければ、保有株の価値は年初から24億ドル増えたことになる。