[27日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングが27日発表した2020年第4・四半期決算は、純損益が84億4000万ドルの赤字となり、20年通年の赤字も過去最大の119億4000万ドルに拡大した。

第4・四半期売上高は15%減の153億ドルだった。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)や、墜落事故を受けた主力機737MAXの運航停止が響いたほか、次世代大型機777Xに関連して65億ドルの費用を計上した。

ボーイングの株価は序盤の取引で約4%下落した。

777Xの引き渡し開始時期については、23年後半に改めて延期した。737MAX事故後の認証要件厳格化や重要急減が理由だという。

旅客需要の歴史的な落ち込みと生産面での安全性強化に伴い、787ドリームライナー数十機の引き渡しも停止された。同社は年内に787の引き渡し再開を想定しているが、アナリストによると、少なくとも24年までは19年の水準に回復しないとみられている。

中国からの需要も米中貿易摩擦で抑制されてきたが、バイデン米大統領就任などを受けて、業界筋は慎重ながら期待を示している。

ボーイングのカルホーン最高経営責任者(CEO)はCNBCに対し、中国からの新たな大型機受注に「楽観的」だと語った。