[アムステルダム 27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は27日、金融状況の改善とインフレ目標の達成に必要であれば、中銀預金金利をさらに引き下げる余地があると述べた。

総裁はブルームバーグTVとのインタビューで「金利を下げる余地は依然としてある」とした上で「もちろん、われわれの総合的な金融スタンスと併せて考える必要がある。総合的な金融スタンスは多数の手段によって決まる」と述べた。

また、このところのユーロ相場の上昇がインフレ見通しに及ぼす影響を緊密に注視すると表明。「ECBのインフレ目標が脅かされるほどに影響が大きくなったとしても、ECBには当然、対応するための手段がある」とし、「全ての政策手段を全体的に検証する必要があるが、預金ファシリティ金利(DFR)は選択肢の一つとなる」と語った。

欧州経済については、新型コロナウイルスワクチンの普及で下半期には成長余地が拡大するとの見方を示し、今年の景気回復を「慎重ながらも楽観的」に見ていると述べた。

ただ、生産が比較的低水準にとどまるため物価上昇が限定されるとし、ユーロ圏の金利は当面は低水準にとどまると指摘。「金利を正常化できるまで、状況の展開を見極めたい」と述べた。

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