[台北 27日 ロイター] - 車載半導体が世界的に不足している問題について、台湾の大手半導体メーカー4社が27日、台湾の王美花経済部長(経済相)と協議し、車載半導体の供給を優先することに前向きな姿勢を示した。同部長が記者団に明らかにした。

同部長によると、半導体メーカーは車載半導体の供給能力を可能な限り拡大することや、車載半導体の供給優先について他の顧客と交渉することに積極的だったという。

ただ同部長は、半導体不足の解消には時間かかるとの見通しも示した。

同部長との協議に臨んだのは、台湾積体電路製造(TSMC)、聯華電子(UMC)、力晶積成電子製造、世界先進積体電路(バンガード・インターナショナル・セミコンダクター)の4社。

同部長は「半導体メーカーは当局の要請に前向きに従う姿勢を示した。米国、欧州、日本の生産を支援するため、できる限り車載半導体をサポートする方針を示した」と述べた。

半導体メーカーは同部長に対し、新型コロナウイルスの流行に伴う在宅勤務の増加で、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンの需要が拡大し、エレクトロニクス製品向けの半導体需要が増えており、生産状況は非常に厳しいと伝えたという。

同部長は「4社は現在、すべてフル稼働状態で、需要が供給を上回っていると説明した」とし、「(半導体メーカーは)どの顧客が発注を延期・縮小できるか、他の製品の顧客と交渉することに前向きな姿勢を示した」と述べた。

また「(半導体メーカーは)生産ラインの最適化を目指す。例えば、キャパシティーが現在100%の場合、102%か103%に引き上げ、追加の生産能力で車載半導体を生産することを目指す」と発言した。

同部長によると、半導体メーカーは昨年初め、エレクトロニクス製品向けの半導体需要が拡大しており、発注を縮小するのは危険だと自動車メーカーに伝えていたという。

UMCの共同社長ジェイソン・ワン氏は投資家との電話会議で、車載半導体の供給を優先させ、自動車メーカーの半導体不足を緩和するよう最善を尽くす考えを示した。

「うまくいけば圧力をある程度和らげることができる」と述べた。

バンガードはコメントを控えた。他の2社は取材の要請に応じていない。

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