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三重大病院の医療機器納入を巡る汚職事件で、製薬会社「小野薬品工業」側から資金を受け取った疑いが強まったとして津地検が再逮捕の方針とのこと。
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医療関係者と医療機器、製薬業界をめぐる贈収賄の報道ですが、奨学寄付金が贈収賄となるかのような記載について、元記事が説明不足のため誤解を招く可能性があるので、以下に補足します。

「奨学寄付金」は、学術研究に要する経費等、教育研究の奨励を目的とする経費に充てるべきものとして、企業や個人から受け入れる寄付金を指します。その経費は、大学の研究活動に重要な役割を果たしています。寄付金の一部を、大学等の管理者が「管理費用」として控除し、残りが指定された研究者に渡ることが通例であることから、大学の財政もこれにより潤います。大学は、企業に対して、広く奨学寄付金をお願いする立場にあります。(一部の大学では寄付目標を設定していると噂では聞いたこともあります)

日本の現状では、「製薬企業・医療機器等の業者から医学部を有する大学に対し研究グループを指定して寄付されているケース」が大半をしめますが、あくまで「奨学寄付金」としてです。直近の資料によると、東大医学部は年間約17億円、京大医学部は年間約7億円の奨学寄付金を受けていることが公開されています。医学部以外の理系学部を対象にする寄付もみられますが、金額は大きく下がり、文系学部に対する寄付はほとんどみられません。

「広く学問の発展に貢献する」ために行う善意の寄付ですので、企業側で「寄付の目的が寄付者の特定の利得に帰する場合は行わない」ことをルール化しているはずです(贈賄の疑いを避けるために)。例えば、「寄付者の製薬企業の製品を使う研究」のための寄付は、「研究成果がその企業の利得に帰するために行うことができない」という趣旨の企業側のルールがあるはずです。「広い意味で利害関係のある企業からの寄付金は受けない」というルールを受け入れ側自体が設定すれば解決しますが、このような方向性の話は、一度も聞いたことがありません。政治家に対する寄付の話とよく似ています。

今回は、「企業が教授に200万円を渡した」したとの記載がありますが、同記事中に「200万円の奨学寄付を行った」との記載もあり、両者が同一か否かが明らかではありません。もし「大学医学部に対する200万円の奨学寄付金が賄賂にあたる」との容疑での再逮捕ならばほとんど前例を聞いたことがありません。奨学寄付金が悪事のように書かれている点には、詳細な説明が不可欠です。
医療用製薬会社。内服薬の他に注射薬の取扱いも多い。がん患者の包括的薬物治療への貢献を目指す。抗がん剤などの海外自社販売に取り組む。
時価総額
1.28 兆円

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