2021/1/27

【急成長】メンタルヘルス「リモート診療」の時代

「需要と供給」のミスマッチ

アリエラ・サフィラには使命がある。
スタンフォード大学の1年生だった2013年、友人の自殺未遂に衝撃を受けた彼女は、不透明なメンタルヘルス医療制度の解明に乗り出した。
じきに判明したのは、認定を受けたセラピストが不足しているという事実だ。さらに、セラピストが足りている地域でも、ケアを受けるまでに乗り越えるべきハードルが多い。
大学でコンピュータサイエンスと数学を専攻していたサフィラはその後、コロンビア大学大学院で臨床心理学を学ぶことにした。
最初に感じた問題意識は、今なお残っている。この分野には、ニーズに見合ったサービスが少ない。これは需要と供給をめぐる本質的な問題だ。
「セラピストとして開業し、事業を継続するのは非常に難しいことなのです」と、サフィラは言う。
「マーケティングして、資金を調達して、収益を管理するという、1人で10人分の役割をこなさなければなりません。そこにたどり着く以前に、セラピストとして名を上げるという難題が待っています」
2019年、サフィラは「リアル・セラピー(Real Therapy)」を創業した。容易なアクセスの実現と、ニーズに応える幅広いサービスの提供を通じて、メンタルヘルスとウェルネス全般に取り組むことを目指すスモールビジネスだ。
(Klaus Vedfelt/Getty Images)

スタートアップがこぞって参入