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ソフトバンクは26日、宮川潤一副社長兼最高技術責任者(CTO)が4月1日付けで社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格すると発表した。宮内謙社長は代表取締役会長、孫正義会長は創業者取締役に就く。傘下のZホールディングスとLINEの経営統合でグループの体制が大きく変わるのを機に、経営陣の世代交代を進める。

発表資料によると、宮内社長の後継者の検討については約2年前から同社指名委員会で開始され、昨年春から本格的な審議が行われてきた。同委員会は、CTOを長年務めてきた宮川氏の人工知能(AI)や第5世代通信規格(5G)など最先端テクノロジーに関する知見や事業運営能力を高く評価したという。

同社の社長交代は、2015年4月に旧ソフトバンクモバイルやソフトバンクBBなど4社が統合、国内通信事業を展開する現ソフトバンクの誕生時に宮内氏が就任して以来、6年ぶりとなる。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、アンシア・ライ氏らはリポートで、孫氏の会長退任は親会社が投資会社にシフトする中、利益相反の可能性に対する懸念を和らげ、企業統治体制の強化につながるとの見方を示した。

新社長に昇格する宮川氏は55歳。1991年にももたろうインターネット社長、02年に東京めたりっく通信社長などを経て、合併を機に03年に旧ソフトバンクBB取締役に就任。07年から現ソフトバンクの専務兼CTO、18年に副社長に昇格した。19年からはトヨタ自動車らと共同出資するモネ・テクノロジーズの社長も務めている。

(5段落にアナリストの見解を追記します)

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