【1月26日 AFP】(更新、写真追加)米上院は25日、ジャネット・イエレン(Janet Yellen)前米連邦準備制度理事会(FRB)議長を財務長官とする人事を承認した。女性が米財務長官になるのは初めて。

 女性として初めてFRB議長とホワイトハウス(White House)の米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたイエレン氏は、米国が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に立ち向かう中、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領の経済政策策定で重要な役割を担う。

 バイデン政権発足後、最初の数週間でイエレン氏が担う役割は極めて重要だ。コロナ禍で受けた打撃から米経済の回復を図る1兆9000億ドル(約200兆円)の経済対策を実現するため、この経済対策に懐疑的な議員らに、財政出動には増大する米財政赤字への懸念をしのぐ利益があると納得させなければならない。

 イエレン氏には貿易規則を施行し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が繰り広げてきた貿易戦争で悪化した各国との関係を修復する役割も求められる。

 しかし最も対立の深い対中関係について、イエレン氏は先週、米経済に悪影響を与えている「中国の不正で違法な慣行」にあらゆる手を尽くして対処していくと表明している。

 イエレン氏は、中国政府は違法な補助金、ダンピング、知的財産窃盗、米製品への障壁などの政策で「米企業を弱体化させている」と指摘してきた。

 しかし、イエレン氏はトランプ氏と違い、「中国が米国にとって最も重要な戦略的競争相手であることは明らかだ」と認めており、中国の脅威に対抗するには「同盟諸国との協力」が重要だと強調している。(c)AFP