マーケティング・シンカ論

SFA・CRMの「そして誰も入力しなかった」を防ぐ! インサイドセールスとデータ活用の重要性ヴィジュアル系が語る!会社を強くするインサイドセールス(2)(1/2 ページ)

» 2021年01月26日 07時00分 公開
[堤貴宏ITmedia]

 みなさま、こんにちは。SNSマーケティング支援を行うホットリンクでインサイドセールスを担当している、堤です。

 13年間ヴィジュアル系バンドのギタリストとして活動し、引退後、ビジネスマンに転向してインサイドセールス職に従事しています。このコラムではインサイドセールスに関して皆さまのお力になる情報をお届けいたします。

 前回のコラムではインサイドセールスとは何かや、導入時のポイントを書きました。第2回では、インサイドセールスとテレアポの違い、SFA・CRMの活用に際しての注意点、フィールドセールスとの連携方法など、より踏み込んだ内容に触れていきます。

新連載:ヴィジュアル系が語る!会社を強くするインサイドセールス

SNSマーケティング支援を行うホットリンク(東京都千代田区)のインサイドセールス担当として日々業務に努める傍ら、「ヴィジュアル系インサイドセールス」として情報発信を行う堤貴宏さんが、インサイドセールスについて愛をこめてお届けする連載です。インサイドセールス部の立ち上げ経験や、セカンドキャリアとしてインサイドセールスを選んだ経験を生かして解説します。

Twitter:@hotto_mihiro


インサイドセールスとテレアポは何が違うのか?

 テレアポとインサイドセールスは何が違うのか──混同されることの多い言葉ですが、明確な違いがあります。テレアポは電話を用いた“営業手法の一つ”です。それに対して、インサイドセールスは電話のみではなくさまざまな手法を用いてアポイントを獲得する“役割”です。

photo 画像はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

 扱っている商材により、消費者行動や顧客の意思決定の仕方も変わります。

 フロー型(売り切り型)のビジネスモデルで、特に低単価、中小企業向け商材の場合、検討期間が短く決裁者との商談にもつながりやすいため、いかに商談機会を多く作るかが売り上げに直結することが多いです。そのためアポイントの数を増やし、商談担当者の営業力で受注につなげるスタイルが適していることが多く、テレアポはその手段として有効でしょう。

 しかし高価格、大企業向けの商材の場合は、意思決定に時間がかかりますし、初めは決裁者が商談の場に同席しないことも多いです。検討期間が長く、商談も複数回発生することが多いため、長期的なアプローチが必要になります。やみくもに商談を設定するだけでは、受注にはつながりづらいのです。

 サブスクリプション型(ストック型)のビジネスモデルの場合は、契約後に長くサービスを利用していただくことが肝心です。サブスクリプション型の商材は導入ハードルが低く、解約もしやすい傾向にあります。顧客は利用する期間だけ料金を支払うため、コストが抑えられ合わないと判断すれば解約するからです。

 ユーザーとしてはとても導入しやすいですが、提供側はユーザーに長く利用し続けてもらわなければ利益が出ません。すぐ解約されてしまうと、導入時のサポートなどでかかったリソースに見合わず、マイナス利益にもなりかねません。

 身近なサービスとして、動画配信サービスの「Netflix」を例に挙げます。Netflixが映画やバラエティーなどの動画番組に興味がない方に無理やり契約を取り付けたとしても、視聴に至らず、数カ月で解約につながるでしょう。

 優秀な営業担当者ほど、サービスを必要としていない顧客にも売れてしまうことがありますが、その分契約後のサポートをするメンバーに負担が大きくのしかかります。これではお金を払ったユーザーも、提供した側も良いことがありません。

 自社サービスが合わない顧客には、そもそも売るべきではないのです。つまり自社サービスが合う顧客を選定し、継続的に丁寧なコンタクトを続ける必要があります。

 そこでインサイドセールスの出番となります。

SFA・CRMは必須! データ活用の重要性

 丁寧な顧客対応とはどのようなものでしょうか。下記のポイントを押さえられているのが望ましいでしょう。

  • 相手にとって情報が必要なタイミングであること
  • 相手にとって有益な情報であること
  • 過去のやりとりを把握したコミュニケーションであること

 しかし対象顧客が増えるほど、全ての情報を頭の中だけで管理するのは難しくなります。

 そこでSFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)に情報を蓄積しておく必要があります。

 顧客対応時にヒアリングできた内容をデータとして蓄積することにより、適切なタイミング、抱えている課題、予算などを把握した状態での営業活動が可能になります。

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